【地域特集】福島区野田らへん 都会にも息づく人情 野田は愛だらけ

「面白いこと」をこの街で

野田新橋筋商店街


▲2022年のハロウィンイベントは200人以上が参加

 「野田を知りたいならまずこの人」と紹介されたのは、新橋筋商店街内「まちの電気屋きょうりつ」で働く加茂裕美さん。商店街で企画担当としてさまざまなイベントを企画・運営している人だ。

 9年前から始めた商店街での「のだふじ」の苗木販売は、今では春の名物に。各店舗が目玉商品をお得に販売する「百縁笑店街(ひゃくえんしょうてんがい)」は、午前中で売り切れる店もあるほど盛況だ。地域で増えている子育て世代の住民が商店街に来るきっかけづくりとして、ハロウィンイベントのような子ども向けイベントも行っている。

 「まず『楽しい』という思いを一番に。そして、とにかく『続ける』ことを意識しました。続けることでどんどんウワサが広がって、ウワサを聞きつけた人が集まってきて…という良い循環が作られてきました」と話す加茂さん。野田には、〝面白がりの人〟がたくさんいるからこそ活気が絶えないのだろう。


商店街のさまざまなイベントを企画・運営する加茂さん

  • ▲福島区の区の花「のだふじ」は4月中旬に見頃を迎える
  • ▲商店街全体を百円均一ショップに見立てた「百縁笑店街」の様子

みんなで一緒に「潤う」ように

裏野田なのだ会


▲普段はバラバラの業種・職種で働くメンバーだが、おそろいのシャツを着て心を一つに

 野田でたまに目にする謎の黒い張り紙。正体は、野田阪神駅前通(通称、モーヴロード)の青年部で構成されている「裏野田なのだ会」のポスターだ。

 近年の人口増をきっかけに、「商店街から野田エリアを盛り上げたい」と同団体を結成。キャッチーな通称をつけて街の発信をしていこうと、『〝正統〟より興味深くて楽しい街』という意味を込めて、界隈(かいわい)を「裏野田」と命名。今後、マルシェなどのイベントを計画中だ。

 メンバーであるセブンイレブン野田阪神駅前店の大井川さんは「自分の店だけでなく、同じ商店街のお店、野田の街全体が一緒に盛り上がらないと意味がない」と語る。野田には〝お互いさま〟の精神が今も根強く生きている。


▲独創的でとがった「裏野田なのだ会」のポスター


地域でむすぶ・つなぐ 子どもの居場所

こども食堂 福太んち


▲子ども食堂は子育て世帯の味方だ

 子ども食堂と宿題カフェを開いている。友達の家に行くような感覚で気軽に来てほしいと、居場所の名前は代表・吉野さんの愛犬「福太くん」から命名。「子ども食堂=貧困の子が行く場所のイメージが強いが、それだけが子ども食堂の役割じゃない。いろんな人と関わったり、居場所としてのびのび過ごす場としてどんな子でも来てほしい 」と語る。

【子ども食堂】火/17:00~20:00、食事代200円
【宿題カフェ】月火水金/14:00~18:00、利用無料
 野田5-8-17


まち・かどや


▲文庫の本は寄付や助成金によるもの

 子ども向けの本を集めた貸出OKの「福・福文庫」や、子育てサロン「福・福くらぶ」などを行っている。「まち・かどやがある場所は、昔野田で愛されていた『かどやベーカリー』の粉倉庫跡だったけど、今も地域の人に愛される場所になってうれしい」と代表の上垣内さんは語る。

【福・福文庫】水/10:00~12:00、金/14:00~16:00、第2日曜/10:00~12:00
【福・福くらぶ】水・第2日曜/10:30~11:30※要予約
 野田3-10-6

開催時間・内容などは変更になる場合があります。詳細は直接お問い合わせください。


生鮮食材専門店 八百鮮

気になるアイツは八百鮮やおせんボーイ


▲八百屋の仕事は朝が早いにも関わらず、夕方でもこの笑顔

 おいしい・安い・楽しい生鮮食材専門店「八百鮮」。商品はもちろん、実は働く「人」もかなり魅力的だ。野田店の店長、行基拓也さんもその一人。「兄ちゃん、今日アレ置いてる~?」とたくさんのお客さんからひっきりなしに声をかけられてはニコニコと談笑。商店街の奥まで響く掛け声。座右の銘は「選択をするというのは、明日なりたい自分になるための唯一の道」だそう。笑顔がステキな愛され店長に会いに、今日も八百鮮へ行こう。

■福島区吉野2-11-18(野田新橋筋商店街内)
■電話06(4256)6732
■10:00~18:00(売り切れ次第、閉店する場合あり)
■日曜定休(月曜日が祝日の場合連休)


老若男女問わず愛されている美容室♪

salon de BIJIN(サロン・ド・美人)

 大開で37年、地域密着型の美容室として知られている。

 ここでは昔懐かしい人間ドラマが繰り広げられている。オーナーに「尚ちゃん、これ食べて~」と持ってくる人がいたかと思うと、悩みを相談しにくる人がいたり、みんなが集まって来ればビールを出してみんなで談笑したり、ここは何屋さんかと思わされる。そんなオーナーの人間力に触れることのできる、オアシスのようなサロンだ。

 今回も、地域の人に喜んでもらえるならと、取材に協力してくれた。とにかく人に優しいサロン、こんなサロンに集える人たちは幸せだ。

■福島区大開3-1-2


漢方樽温浴×トリートメントが心と体を癒やす

GOEN屋

 人やモノのご縁をつなげていくサロン、GOEN屋。そのお店の看板娘が笑顔のステキな吉田真央さん。吉田さんがおすすめしているのが漢方樽温浴×トリートメントだ。樽(たる)に入って、漢方ハーブエキスのスチームで体を芯から温め、トリートメントによってさらに代謝や免疫力がアップ。体質改善効果はもちろん不眠や肩こりにも効果が期待できる。体がほぐれると心まで軽くなるから不思議♪自分へのご褒美にいかが?

■福島区吉野2-8-27(野田新橋筋商店街内)
■電話070(8570)1033
■10:00~20:00(不定休)


子どもが行き交う街の本屋さん

林 書 店


▲「お客さんと絵本の話になると、つい口が止まらなくなります」と笑う久美子さん

 子ども好きのご夫婦が営む林書店は、絵本の割合が大きいのが特長。妻の久美子さんは、幼少期は本が好きでなかったが、大きくなってから面白さに気づき「もっと早く知っていれば」と後悔したそう。「小さい時から絵本を知って触れてほしい」と、今では店内の4分の1程が絵本の棚だ。

 書店の傍ら、2階ではそろばん・読み書き教室も行っている。畳の敷かれた部屋で正座をして学ぶ場は、今となっては貴重だ。

■福島区吉野2-8-27(野田新橋筋商店街内)
■電話06(6441)2965
■年中無休