モノがあふれる時代には、「良いモノを作ったのに、思うように売れない」と悩みを抱えるメーカーは少なくない。こうした中、販売力を武器に生産者を支えている企業がある。「対面でもインターネットでも販売の極意は同じ」と語るのは、シャワーヘッド「ミラブル」を日本一売り上げる(※)GWFの社長・橋谷義仁さん。同社の販売哲学に迫った。
※2021年6月現在メーカー調べによる同社(ミラブルオンライン)の販売実績
ミラブルのCMを初めて見て衝撃を受けたという橋谷さん。「商品の素晴らしさが何よりの理由」と語る。実際に自分で使った結果、「使わない理由が見つからないほどの良い商品」だと確信し、すぐに販売代理店として名乗りを上げた。
しかし、当初はCM以外に目立ったマーケティング活動が行われておらず、商品の良さが十分に消費者に伝わっていなかった。そこで橋谷さんは、ECサイトで「この商品がどう消費者の生活を良くするのか」を具体的に伝える情報を徹底的に掲載。
「商品の使い方や期待される効果、そして作り手の想いをインタビュー動画で伝えるなど、買い手が本当に知りたい情報を届けることに注力しました」。こうしたアプローチが功を奏し、GWFは正規代理店の中で日本一の売り上げを達成した。
対面もECも本質は同じ
「商品に自信を持つことが基本」と橋谷さんは言う。そのうえで重要なのは「その価値を、買い手にわかりやすく伝えること」。現在ではSNSやさまざまなプラットフォームを活用した販売が一般的だが、どの手法を選ぶかは二の次だという。橋谷さんはこう述べる。「『どのSNSを使えば売れますか?』とよく聞かれますが、重要なのはどのツールを使うかではありません。買い手の気持ちに寄り添い、商品の魅力を理解してもらうためにどれだけ努力できるか。それが対面でもECでも変わらない販売の極意です」。
商品力を信じ、その価値を必要とする人々に届ける工夫を重ねる。GWFの成功は、決して特別なものではない。誰もが挑戦可能なシンプルで実践的な販売哲学があるからこそ、販売に携わる人々の心を動かすのではないだろうか。
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