改正道路交通法が11月1日にに施行され、自転車の酒気帯び運転や、携帯電話を使用しながら自転車を運転する、いわゆる「ながら運転」が罰則の対象となった。また、罰則強化からわずか1週間で24人が同法違反容疑で摘発されたことが大阪府警への取材で分かった。
このうち1件は逮捕、残りは赤切符の交付だった。府警交通総務課の大北良弘調査官によると、24
人は20代から70代。パトロールやトラブル申告、通報などで発覚した。逮捕者は11月4日、豊中市内を二人乗りで走行していたところ、乗用車とトラブルにあり捜査に応じなかったことから逮捕された。
一方、「酒気帯び事故」は10件。そのうち1件は飲酒後、手押し運転で歩行していたことが分かった。残りの9件については捜査中だという。
今回の改正で「自転車の酒気帯び運転」以外に、自転車運転者への「酒類の提供者」「自転車提供者」「同乗者」も罰則の対象となった。大北調査官は「自動車の罰則が強化されているのと同様に、自転車も加わったと認識してもらいたい」と話す。
増える自転車の事故
厳罰化の背景は、自転車関連事故の増加だ。警察庁によると、2023年の自転車関連事故は7万2339件で、前年より2354件増加。全交通事故に占める割合が2割を超え、21年以降、増加している。
今年は9月末時点で4万9039件発生しており、死亡者数は227人。重傷者は4987人で軽傷は4万5056人に上っている。府内では6394件、うち死亡者数は2人、重傷者は907人、軽傷が5689人。死亡数、軽傷者数については大阪が全国でワーストとなっている。自転車の割合が高い府民に対し、大北調査官は「法改正を契機にルールをしっかり知って、守っていただきたい」と呼びかけている。
自転車の酒気帯び厳罰化は飲食店にどのような影響を与えているのか。大阪市北区本庄東の住宅街にある居酒屋「pao福」のオーナー、坂本麻央さんは「歩いて来店される方がほとんどだが、自転車で来られた方には対策として『押して帰ってください』と声をかけている」と話していた。