【男と女は異星人!?③】夫にイラっとした時にこじれない妻の言葉

コミュニケーションライター/黄本恵子

夫にイラっとした時にこじれない妻の言葉

 夫や妻に対して怒りの感情がわいた時、どうしていますか?

 ①言葉あるいは態度で相手にぶつける
 ②正論を伝えて相手の間違いを指摘する
 ③「自分ががまんすればいいだけだから…」と感情を抑える

 ①や②は、相手の反論や反発を招きやすい対応です。また、激しい言い争いになるなど、関係性がこじれてしまう可能性も高くなります。
 ③のようなことを長い間続けていると、心身にかかるストレスが深く、大きいものになるでしょう。
 夫や妻に怒りの感情がわいた時は、怒りの感情の下にある、「本当の気持ち」を伝えることが大切です。

怒りは二次感情

 怒りは、【二次感情】と言われています。つまり、元になっている【一次感情】があるのです。
 一次感情は、「悲しい」「不安」「苦しい」「辛い」「怖い」などです。
 パートナーに対して怒りがわいた時は、「怒りの下にある、一次感情は何か?」を自分の心に問いかけてみましょう。そして、一次感情の方を相手に伝えるのです。

<怒りの感情の言い換え例>

「結婚記念日に仕事入れるなんて最低! 何考えてるのよ!」
     ↓
「結婚記念日は2人で楽しく過ごそうと色々計画してたから、すごく悲しいわ」

「こんな時間まで連絡もしないでどこに行ってたんだよ! いい加減にしろよ!」
     ↓
「こんな時間まで連絡ないから、何かあったんじゃないかって心配して、不安になったよ」

 二次感情ではなく、一次感情を伝えることで、相手はあなたの本当の気持ちに気づき、「そんな思いをさせていて悪かったな」「今度からは○○しよう」と思うようになります。
 私も、ついカッとなって怒りの感情を夫にぶつけてしまうことがあるのですが、そういう時は言い争いになってお互い嫌な気分になるだけで、解決も進展もありません。
 一次感情を伝えた時は、夫も「ごめんね」と素直に言ってくれて、そこから「次は(これからは)どうして行こうか?」という話し合いができます。
 人間関係は鏡です。特に夫婦関係はそれがよく表れます。こじれた感情で相手に接すると、こじれた反応が返ってきます。素直な気持ちを伝えたら、素直な気持ちが返ってきます。
 夫婦関係が円満な家庭は、怒りで相手をコントロールしようとせず、一次感情を伝えあっています。
 怒りはふってわいて出るものですが、一次感情の存在を意識することで、コントロールがしやすくなりますよ。
 「自分ががまんすればいいだけだから…」と怒りの感情を抑えつけてしまう人は、その裏に「自分の気持ちを優先させてはいけない」という思い込みを持っているのではないでしょうか。「どうせ言っても分かってもらえないし」という諦めを持っている方も多いでしょう。
 自分の正直な思いをパートナーに伝えることは、悪いことでも罪なことでもありません。当たり前にしていいことです。今すぐには分かってもらえなくても、がまんするより伝える方が自分のメンタルに良いですし、夫婦のコミュニケーションが一歩前進するはずです。

コミュニケーションライター/黄本恵子

黄本恵子(きもと けいこ)
大阪市出身。1980年生まれ。関西大学社会学部卒業。心理学について学びを深め、人間関係に悩む人々のカウンセリング業務に従事。その経験を活かし、家族間や男女間のコミュニケーションについての記事を大手WEBマガジンにて執筆。ビジネス書の編集・執筆協力にも多数携わる。米国NLP協会認定 NLPマスタープラクティショナー。
〈メディア出演〉ニュース番組『新・情報7daysニュースキャスター』に出演。「高齢者の親に免許返納を促す伝え方」についての記事が反響を呼び、取材を受ける。朝の情報番組『ビビット』に出演。「2歳児ができること」について紹介した記事が取り上げられる。