5月に行われた「第54回NHK上方漫才コンテスト」決勝に松竹芸能から唯一進出したピン芸人・くわがた心(23)が、クワガタのゴロ合わせで9月8日夜に初の単独ライブ「タンドクワガタ~心のそこから~」を大阪・ DAIHATSU 心斎橋角座で開催する。
芸歴4年目でモノマネや音声模写、コントなどが持ち芸。学生時代は陸上競技部員で中長距離の選手。今も体力に自信があり、テレビ番組ではフルマラソン企画に挑戦したのをはじめ、情報番組や釣り番組のレポーター、アシスタントなどにレギュラー出演し、日々体を張って駆け回っている。
幼い頃から、K-POP大好き。歌って踊れるアイドルにあこがれた。「中学から高校まで軽く100件は応募しました。全部ダメで〝高校卒業したら別の道を探そう〟と漠然と…。高三の冬に受けたのが『松竹ジャパングランプリ2019』。決勝まで残れて結果発表で名前を呼ばれなかった。ボロボロ涙が後から後から流れて、東京から帰りの新幹線で泣きっぱなし。大阪の家までどうやって帰ったのか覚えていない」ほど打ちひしがれた。ボーッと何日か過ごしていたところに1本の電話。松竹芸能の幹部から「お笑いをやってみる気ない?」とのお誘い。
高校卒業を待って本名・鍬形心の一部をひらがなにした芸名でプロデビューした。「愛竹(あいちく、松竹への愛情)精神強いですよ。拾ってもらった恩返ししないと。先日のNHKに出して頂いて賞レースへのこだわりがより生々しくなった。目指すは(女芸人No.1を決める)W-1、(ピン芸人No.1を決める)R-1、そして(TBS感謝祭で実施の)赤坂五丁目ミニマラソンの三冠王」と壮大な目標を掲げる。
単独ライブは初めてで「漫談とコント計5本ぐらいやらせてもらうつもり。若い女性だから注目されているところもあるので、賞味期限が切れない内に何か賞を取りたい」と話し、「単独ライブも1回だけでなく2回、3回と続けさせてもらってしっかりお客さんの反応をつかんでいきたい。生のお客さんにウケないと賞盗りで勝てないですから」と真顔に。
目標は独りコントやモノマネの大先輩・友近。「コントの人間観察力もすごいし、別キャラの演歌歌手・水谷千重子は本格的に歌うまい。あこがれています」と話す。吉本タレントは養成所・NSC(吉本総合芸能学院)時代から仲間同士で常に競争。一方の松竹芸能・くわがたはけして焦らずじっくりゆっくりと育成されている。
(畑山博史)