【大阪レアグルメ】兜のような鍋料理 焼肉が同時に味わえる南部鉄器の〝義経鍋〟

義経鍋

 大阪メトロ千日前線「今里」駅すぐの今里新道商店街に昨年4月にオープンした「fonte 義経鍋とお好み焼き」は、平安末期の武将・源義経にちなんだ鍋料理「義経鍋」(よしつねなべ)を提供している。

 鍋の形状が、〝まるで兜(かぶと)のようにも見える〟と特徴的だ。義経が平泉(岩手県南部)に落ち延びた際、兜を使って臣下に鍋料理をふるまったことが始まりとされている。南部鉄器の鍋の中央では水炊きを、花びらのように分割された区画では焼肉をしながら、水炊きと焼肉を同時に楽しむことができる。シメには、卵ご飯かバター醤油ご飯が選べる。鶏油が絡み合ったニンニク醤油をかけて食べる一杯が絶品だという。

 大阪では聞き慣れないレアグルメだが、オーナーの廣中さんは「グルメ好きの父が義経鍋に魅了されたのがきっかけでした」と話す。父の思いを受け継ぎながら、廣中さんの子ども時代から慣れ親しんでいた鶏肉でメニューを提供している。

 南部鉄器から染み出された奥深い味わいと、鶏ダシのうま味が楽しめる、冬には必須の鍋料理。今宵は同店の義経鍋でホッとあたたかい時間を過ごしてみては。

もも・砂ずり・せせり
(左)40年以上使用した、廣中さん家族の思い出の鍋
掘りごたつのテーブル席

■fonte 義経鍋とお好み焼き/大阪市東成区大今里1丁目37−14/電話06(6981)5039