「中央区からJリーグチームを」選手の人生設計プランも考慮したクラブチーム運営 4年目で社会人リーグ1部昇格

 大阪市中央区を拠点に活動する社会人サッカーチーム「大阪シティサッカークラブ」は、代表を務める山地泰平さん(27)が2020年、「海外のように街全体で盛り上がるサッカーチームを作りたい」と、ユース代表候補から運営側に転身し、立ち上げたクラブだ。チーム強化のほか、選手引退後の人生設計を考えた運営方針を打ち出し、全国から優秀な選手を集めている。

 「中央区からJリーグチームを」発端のきっかけは22歳の時、ユースチームの遠征で訪れたイギリス・ロンドンの名門プロサッカーチーム「チェルシー」と対戦したときに、街中がサッカー一色で、祭りのように盛り上がるサポーターやスタジアムの熱気に心を奪われた。

 帰国後に一念発起し、ロンドンのようにサッカーでにぎわう街を探して日本国中を巡った後、同区であれば実現できると感じ、選手時代のつてをたどって選手を集め、練習場を確保し、スポンサー探しに奔走した。

 「サッカー選手の引退は平均26歳。引退後の人生のほうがずっと長い。まずは社会人としてスキルを身に付けてほしい」と練習は午後8時からの2時間。短時間であるがゆえに濃密な練習内容となり、チーム力はめきめきと向上していった。 2021年に参入した大阪社会人リーグは3部からスタートし、2022年には2部に昇格。フルタイムで働きながら、サッカーができる環境を整えたことで、全国から有望な選手が集まるようになった。優秀な人材に目をつけた企業側から声がかかり、就職する選手も増えていった。

 昨年12月には大阪府社会人2部で優勝、今年は1部リーグチームとして、2月18日からの天皇杯の予選に参加する。今後は関西サッカーリーグ(KSL)、日本フットボールリーグ(JFL)、2031年にJリーグ入りを目指し、チームともに走り続けている。

「中央区とともに世界に誇れるサッカーチームを作りたい」と意気込む山地さん