ロームシアター京都 サウスホール(京都市左京区岡崎)で9月25・26日の2日間、リトアニア現代オペラパフォーマンス「HAVE A GOOD DAY!」が開催される。
「HAVE A GOOD DAY!」は、2019年ヴェネチア・ビエンナーレ(第58回国際美術展)でのオペラ・パフォーマンス『Sun & Sea(Marina)』が金獅子賞(Best NationalParticipation)を受賞し一躍注目を浴びたリトアニアの女性アーティスト3人。ヴァイヴァ・グライニテ(台本)、リナ・ラペリテ(作曲・音楽監督)、ルギーレ・バルズジュカイテ(演出・美術)が突きつける、労働と消費と人間存在の行方を表現したパフォーマンス。

公演の舞台は、現代の消費社会を象徴するスーパーマーケット。
内容は、「こんにちは!」「ありがとうございました!」「良い一日を!」という当たり前の機械的な言葉や作り笑いを繰り返す、10人の店員たちの内面にフォーカスしている。「10人のレジ係、スーパーマーケットの音、ピアノのためのオペラ」というその副題が示すとおり、きわめてミニマルな演出によって構成されている。消費の対象である商品そのものは登場せず、蛍光灯の明滅や、商品がスキャンされるたびに鳴り響く単調なブザー音が観客の想像力を喚起するのだ。

作中で歌われるアリアは、現代を生きる私たちの縮図を現している。不慣れな世界へ足を踏み入れる不安を表現する不器用な「新人」や家族や親戚たちと離れて異国で働く「移民の母」、日々の生活に追われる「シングルマザー」、作者自身の精神的危機を反映した「美術批評家」などが登場し、それぞれの生き様や思いを伝える。
警備員のピアノが静かに引き立てるモノローグは、個々のドラマをモザイクのように描き、淡々としていながらも切実に響きわたる。

労働や消費の現場を鮮やかに舞台化することで、私たちの社会の在り方を問い直すと同時に、システムに埋没しがちな人間一人一人の多面性を静かに浮かび上がらせる作品だ。個々の孤独な呟きはやがて合唱へと昇華され、消費社会への皮肉とユーモア、そして詩的な美しさをもって観客を包み込んでいく。
同作は、世界のアートシーンが注目する彼女たちのコラボレーションの端緒となり、リトアニアをはじめ、ヨーロッパ各国、アメリカ、中国など世界各国の音楽・演劇・オペラフェスティバルで上演されてきた。そして今回日本初演を迎える。

開演時間は、9月25日が午後7時、9月26日が午後2時。チケットは全席指定(税込)で、一般は6,000円、ユース(29歳以下)は3,000円、18歳以下は1,000円。託児あり。
