京都の東山に佇むフォーシーズンズホテル京都(京都市東山区)で12月1日から25日まで提供される「いちご」と「バラ」をテーマにしたクリスマスシーズン限定のフェスティブアフタヌーンティーを体験してきた。

京阪七条駅から徒歩10分ちょっと緩やかな坂道を登って行き、道路沿いから竹で囲まれた通路へ折れるとその先にホテルの建物があり、建物の裏側には約800年の歴史を刻む名庭「積翠園(しゃくすいえん)」が広がっている。

今回は、積翠園を臨むテラス席でアフタヌーンティーを楽しんだ。12月でも少し暖かい日だったので、紅葉が始まった木々や自然に囲まれた水面を眺めならがのアフタヌーンティーは最高。




フェスティブアフタヌーンティーは、「いちご」と「バラ」をテーマに、クリスマスシーズン限定のアフタヌーンティーで、スイーツには、コクのあるバターを使ったスポンジにあまおうを贅沢にサンドした「フレジエ」や、いちごとローズの華やかな風味が香る「ストロベリーローズムース」などの5種類。
セイボリーには、クリスマスの食卓に欠かせないチキンやポークに京都のエッセンスを加えたこだわりあふれる4種類のメニューにシュトーレンをイメージしたスコーンを合わせ、一年で最も華やぐ季節を彩る1カ月限定のアフタヌーンティーとなっている。

この時期はいちごがテーマのアフタヌーンティーが多く、いちごが添えられていたり、使用されている、という場合が目立つ中、同ホテルのそれは、いちごの存在感が高く、どのスイーツを食べても確実にいちごの味や存在感を感じられた。一つ一つのスイーツにはいちごの味を生かす創意工夫が凝らされていて、ほかとは一線を画す仕上がりになっている。
同行した同僚記者も、いちごと〝引き立て役〟の絶妙バランスに感心していたようで、「いちごが主役であることへのこだわりを感じられたことが印象的だった。甘さのあるスイーツたちの中で、いちごそのものの甘酸っぱさやフレッシュさがしっかり引き立っていて、ただ甘いだけじゃない果実の魅力を感じられた」と絶賛。

スイーツたちは2段プレートのティースタンドで登場。

スイーツとセイボリーのバランスがよく、甘さと塩味や酸味のコンビネーションがうまく調和していた。


また、和の要素をうまく取り込まれていて、随所に白味噌と九条ネギオイルなど和のテイストを感じられる味付けになっていたのも京都らしくて表情が自然とほころんでしまった。

前述の同僚がアレルギー対応を求めていたため、通常は一つのティースタンドにまとめて二人分を提供するところ、それぞれ個別のティースタンドに分けてサーブしてくれた。細部にまで行き届いた心配りが感じられ、有り難く思った。

同僚記者からは、「セイボリーは甘さの合間に嬉しい変化を感じた。甘いものだけじゃなく、しょっぱい・酸味のあるセイボリーも充実。例えば、『大根をバラのように仕立てたタルト』は見た目がとてもかわいく、色合いも繊細。しっかり味がついていて、まるで〝甘さの合間の箸休め〟のような存在。スイーツとセイボリーを交互に味わうことで、お腹も心も無理なく満たされるバランスの良さを感じた」と感想を話していた。

「パフェとドリンクには驚きの組み合わせがあった。印象深かったのが、いちご × ライチで香りも味わいも華やかなパフェ。フルーティーな香りがふわっと広がって、とても爽やかで特別感があった」

「さらに、ドリンクでは「ジャスミンティー × いちご」の組み合わせ(ライン公式登録者限定)があって、見た目は甘そうなのに、実際はすっきり爽やかで、思わず驚きの声が出てしまうギャップがたまらなかった」

「全てにおいて上質さと満足感のある内容だった。スイーツもセイボリーも、全てにこだわっているという強い印象。ひとつひとつのメニューに対するこだわりと、いちごとバラをテーマにした世界観が、特別なひとときにしてくれた。イチゴを何粒も食べたわけではないのに、たくさん食べた気分になれる贅沢な満足感。こだわりとバランスのよさに、感動した」

落ち着いた雰囲気や和風な空間の多い京都の中にあっても、積翠園などほかでは体験できないコンテンツがあり、館内のあちこちには、そのスポットに合わせて制作を依頼したオリジナルアートが展示されていたり、とホテル全体が洗練されていた印象が強く残っている。



また、この日はメインダイニングエリアに当たるレストラン&バー「エンバ・キョウト・グリル」の一角でクリスマスツリーの点灯式があり、地元のインターナショナルスクールの学生さんによる合唱でその瞬間を楽しめる時間も。




点灯式後、同僚が軽食に提供されたキャビアやトリュフに吸い寄せられてしまったことは見逃せない出来事だった。

営業時間は、一部が正午/午後12時半~、二部が午後2時半/同3時~の二部制。所要時間は120分で、うち90分はフリーフローとなっている。料金は8,400円。
■フェスティブアフタヌーンティー@フォーシーズンズホテル京都
(文・写真=岡野健将)
