任期満了に伴う大阪府知事・市長のダブル選(4月9日投開票)で大阪維新は知事選に現職の吉村洋文代表(47)、市長選に大阪府議の横山英幸氏(41)をそれぞれ公認候補として立候補を予定。知事選には他に共産党の元参院議員、辰巳孝太郎氏(46)が無所属での立候補を表明、市長選にはIR誘致に反対する市民団体幹部の山川義保氏(60)が立候補を検討している。
そして、ここに来て新たな動きがみえてきた。
地域政党「大阪維新の会」に対抗する勢力の結集を目指す経済人らが、府選挙管理委員会に1月10日付で政治団体「アップデートおおさか」の設立を届け出た。知事選ではテレビの情報番組のコメンテーターでも知られる大阪芸術大客員准教授、谷口真由美氏(47)に立候補を打診し、谷口氏は受諾。そして、市長選では大阪市議で自民党所属の北野妙子氏(63)が立候補する意向で、同団体は北野氏についても立候補を打診し、了承を得た。
ダブル選挙で非維新勢力が分散
「アップデートおおさか」はIR誘致に慎重姿勢を示し、「住民投票を実施した上で誘致の是非を判断すべきだ」との立場。団体の代表には大阪商工会議所元副会頭を務め、サクラクレパスホールディングス社長、西村貞一氏が就く。呼びかけ人のうち元副知事の小西禎一氏も参加。小西氏は、2019年の知事選で自民党の推薦を受けて立候補したが、現職の吉村知事との一騎打ちに敗れた。
自民は維新の大阪都構想に反発し、過去3回の大阪ダブル選で、維新以外の他党と「維新包囲網」を結成してきたが、敗れている。今回のダブル選では、維新の会はすでに候補者を決めているが、「アップデートおおさか」の候補者擁立で非維新勢力が分散することになる。
大阪維新の会の支持率はコンスタントに4割前後を保っており、「国政で自民党を支持する層もかなりの割合含まれている」と見られており、非維新勢力の分散は選挙の勝敗にどう影響するのか注目される。