維新、過半数獲得で公約前倒し
今回の統一地方選で府知事選、大阪市長選、さらに府市議会での単独過半数を制した大阪維新の会。なかでも吉村洋文知事が「過半数を獲得できなかったら大阪維新の会の代表を辞める」と豪語した市議選での圧勝。維新は選挙公約に掲げていた「定数削減」を〝強行〟する構えだ。今後は「大阪都構想」の3度目の挑戦に踏み切るかが注目される。
大阪維新の会は、5月18日開会の市議会で現行定数81から約10削減して70前後とする条例改正案を提出し、会期中の採決を目指す考えだ。維新は4月9日に行われた市議選で過半数を獲得し、単独での議決も可能になった。このため、実施時期を未定としていた市議会の定数削減を前倒して行うことにした。議決したうえで4年後の市議選から導入する予定。
市議選の選挙区は、市内24行政区を単位として定数が2~6。改正案では選挙区間の「1票の格差」が憲法違反とされる2倍以上とならないよう調整。定数が3以上の選挙区から合わせて9から12の定数を減らす方向で最終調整している。横山英幸市長は「維新市議団が中心となって進めている。市議団が議員定数や一票の格差などを総合的に勘案しながら考えてほしい。最後は決める、ということは必要だと思う」と述べている。
大阪維新代表の吉村洋文府知事はSNS上で「維新は約束したことを実行する。口だけで終わらない。満身創痍でやる。大阪市議会で過半数。身を切る改革、早くも動き出した。一方、国の自民党と民主党はどうだ?議員定数削減の約束をしたけど実行した?」と自らの見解を発信している。今後は大阪維新の会の「一丁目一番地」ともいうべき「大阪都構想」に関し、3度目の住民投票を実施するのかが注目される。