インタビュー マーケティング主導のサプリにNO! 経営者に必要な「本物の栄養補給」 サプリプロラボ 社長 曽我浩行さん

 健康寿命と平均寿命の差を埋めるカギは、体をつくる〝食〟にある─。こう語るのは、実感できるサプリメントを製造・販売する「サプリプロラボ」の曽我浩行社長。「実は、人間のパフォーマンスを向上させるには、厚労省推奨量を大幅に上回る栄養補給が必要だった」と行き着き、日本経済を支える経営者らを健康面からサポートしている。

「サプリメントでビジネスアスリートを支え、日本の国力を高めたい」と話す曽我さん
「サプリメントでビジネスアスリートを支え、日本の国力を高めたい」と話す曽我さん
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健康な「ビジネスアスリート」量産し〝国力再構築〟

 ─全国を飛び回り、多忙な毎日を送られている。

 おかげさまで現在、法人が4つ、事業としては8つほど運営しており、マリン業界で日本一有名なYouTubeの運営も含め、慌ただしく過ごしています。東京にいたかと思えば、午後にはマリン事業で沖縄や石垣島へ飛ぶことも珍しくない。月に10回以上フライトすることもあります。

 ─体調管理はどうやって。

 昔からサプリメントに興味があり、今は自社開発の製品を摂っています。ビタミン、ミネラル、ファイトケミカル、アミノ酸などを自然由来でバランスよく配合し、添加物を一切使わない設計。食事よりも安全と自負しています。

 ─つまり、〝食べる〟という根本から体づくりを見直すということか。

 はい。結局、体は食から作られます。事業家として、いくらアイデアや行動力があっても、体が資本ですから。

 ─サプリを開発するきっかけは何だったのか。

 経営者として事業を始めてから、安定収益の軸として興味のあったサプリを手掛けることにしました。事業化するにはノウハウを学ぶ必要があり、当時、通信販売ビジネスの主流だった「単品リピート通販」のセミナーを1年間受講しました。

 ─そこから得た学びは。

 正直、全く役に立たなかった。教えられたのは「いかに安く製造し、高額に売るか」「返品させない体制の構築」などばかり。人々を健康にするという事業の視点はほとんどなく、「これが業界の実態か」と驚きました。

 ─〝人々を健康にする〟というその強い思いは、自身の不調を乗り越えた経験から来ているとか。

 そうなんです。私自身、年に数回は40度を超える高熱を出し、慢性的な冷え性や倦怠感、肩こりなどにずっと悩まされてきました。病院の血液検査から、ビタミンBやD、亜鉛などが不足していることが判明し、医師に勧められたサプリを5年間飲み続けました。ところが、再度検査をした結果は…。数値が全く改善されていなかったんです。「もしかして、体に吸収されていないのではないか?」と疑問を持ち始めました。

 ─そこから独自の探求が始まった?

 ある薬剤師との出会いが転機となりました。彼は「薬を売らない薬剤師」として活動しており、ファスティング(絶食療法)や分子栄養学の観点から健康を捉えていたんです。彼にいろんなことを教わり、自分が飲んでいたサプリを成分分析してみると、栄養素の含有量が少なく、吸収率にも問題があるとわかりました。
 そこで初めて、体に本当に必要な栄養とは何かなど、健康に関する正しい知識を学ぶようになりました。加えて、日本の医療を取り巻く問題点なども少しずつ見えてきたんです。

 ─日本のサプリ市場の課題は?

 マーケティング先行型の「売れる商品」ばかりが作られている印象を強く感じます。加えて、表示された栄養成分が含まれていない商品も一部に存在しています。実験で成分分析を行ったことがありますが、表示でうたわれていた栄養素が1粒10㌘の中にわずか3㌘しか含まれておらず、残り7㌘は添加物で構成されていたケースもありました。その添加物の多くは表示義務がなく、消費者にわからないという問題もあります。

クルーザーを運転する収録中の曽我さん。マリン業界で日本一有名なYouTubeチャンネル「釣りバカ社長のGROOVY FISHING CHANNEL」を運営している
クルーザーを運転する収録中の曽我さん。マリン業界で日本一有名なYouTubeチャンネル「釣りバカ社長のGROOVY FISHING CHANNEL」を運営している

 ─製品設計で特に意識されたことは?

 「本当に自分が飲みたいと思えるか」「家族などの大切な人に勧められるか」の2つです。まずは安心であることや体への吸収率の面から、原料は合成ではなく、天然由来の原料を選択しました。もう一つは、ここがポイントなのですが、栄養素は厚労省の推奨値を大きく上回る設計にしています。

 ─なぜ推奨値を上回る設計にしたのか。

 厚労省推奨量(RDA)はあくまで「最低限の健康維持」の基準です。人間の体は常にビタミンを消費しており、日々の代謝活動や細胞の修復、免疫機能の維持など多くの場面でビタミンは使われています。つまり、「ベストなパフォーマンス」や「体感できる変化」を目指す人には十分ではない。運動量の多い人や忙しい経営者も同様です。
 このため、弊社の「マルチビタミン」はビタミンB1なら推奨値の7倍、ビタミンEは8倍など、予防医学のプロのアドバイスも受けながら、最適なコンディションを維持するのに十分な量で構成しました。

 ─製造にも強いこだわりがあると聞く。

 はい。日本のサプリ製造は企業の自己申告だけで商品化できてしまう実態があります。栄養素の含有量が表示成分を下回るケースが見受けられるのもそのためです。
 一方、米国では世界的に権威ある薬物検査機関「BECG」があり、製品ごとに検査・証明が義務付けられています。弊社のサプリもその厳格な基準で製造しており、医療機関でも取り扱われています。

 ─日本に比べ、米国などでは、がん死亡率が下がってきているが、要因に栄養学を指摘する声もある。欧米では科学的根拠に基づいた栄養学研究が進み、「栄養士=予防医療の中心的存在」になっているとか。

 米国では栄養療法への理解が深まり、食事やサプリによる予防医療が日常化しています。結果、がんの死亡率も年々減少傾向にあります。一方の日本は、いまだに医療依存型で、健康は病院がつくるものという意識が強く、栄養に対する教育や知識の遅れが見受けられます。

 ─検査で異常が認められないのに、症状を訴える状態を指す「不定愁訴」という医療用語がある。この不定愁訴が病気の入り口だという話もあります。

 おっしゃる通りだと思います。私自身、自分では健康だと思っていたのに、不定愁訴の症状にいくつも当てはまっていたのです。冷え性や肌荒れ、疲労感、肩こり、集中力の低下…。これらは体が発する〝クレーム〟で、放置すれば将来的に高血圧や糖尿病、がんへとつながっていく可能性が指摘されています。だからこそ、早い段階で栄養のバランスを整え健康に過ごすことが大事だと考えています。

 ─実は現代人は〝栄養失調〟という見えない飢餓状態にあるのか。

 特に日本では、栄養教育がほとんどなされていません。知人のプロスポーツ選手でさえ「タンパク質はお米」と答えてしまう現状です。食事も加工食品が中心になり、栄養素は少なく、添加物ばかりです。
 体は食から作られます。このため、本来の〝食の力〟を取り戻さなければ、健康寿命と平均寿命のギャップの問題は解決しないのではないでしょうか。

 ─確かに、日本は平均寿命が女性87歳、男性81歳と長寿だが、健康寿命は女性75歳、男性72歳とギャップがある。

 引き算すると人生の約10年間を不健康な状態で過ごしているということです。このギャップを縮める一つの取り組みとして、私は栄養学に着目しているのです。

 ─先ほど、体は食べ物からつくられる、という話が印象的だった。

 経営で例えれば、明らかに会社をダメにする人を雇う経営者はいませんよね。しかし、そんな経営者でも、体には平気で添加物や質の悪い油などマイナスのものを入れてしまっている。彼らが事業で最高のパフォーマンスを出せるよう、土台の健康をわれわれがサポートしていきたいと考えています。

 ─それが、曽我さんの言う「ビジネスアスリート」の考え方か。

 はい。YouTube番組の関係で、クルーザーを所有する多くの経営者に会いますが、彼らと話をすると自分の健康に無頓着な人が多い。会議ではすばらしく論理的な戦略を語れるのに、自分の血液検査の数値や体のサインに対する知識が不足していることがうかがえます。
 私は経営者こそが「ビジネスアスリート」として自分の体に最大限の投資をするべきだと考えています。事業に対しても、体に対しても優秀な経営を行っていくことで、日本の国力が高まるからです。この社会的意義の大きさから、やりがいを感じています。

 ─最後に、読者へのメッセージを。

 体は唯一無二の資産です。経営者なら、会社を守るのと同じくらい、自分の体にも目を向けてほしい。目先の病気ではなく、今の〝未病〟に気づくことが、未来の自分や従業員を守る行動につながるはず。〝食〟を変えることで、未来が良い方向に変わると信じています。