大西洋の今を知る 神秘空間・ポルトガル館で海洋課題に向き合う〝青の対話〟

 外観は謎にロープがたくさん吊るされていて不思議な感じがするポルトガルパビリオン。
隈研吾氏による設計のポルトガルパビリオンは、吊り下げられたロープやリサイクルされた網を使用して、波や風、太陽などの自然を表現しているそうだ。

 また大屋根リングから眺めると見える波のように吊り下げられた上部の広場を象徴する景観インスタレーションは、訪問者や外部の歩行者に印象的なイメージを作り出している。

 ポルトガルパビリオンは、「海、青の対話」を参加テーマに掲げている。約500年前に海を渡って日本にやってきたポルトガルにとって、海は欠かせない存在のため、今回もそこにフォーカスした展示になっている。海洋国家として、ポルトガルは常に海と強いつながりを持ち、天然資源を開発し、貿易ルートを確立してきている。この海洋遺産は、海洋の持続可能性とブルーエコノミーの推進に対するポルトガルのコミットメントに今日でも反映されており、海洋経済は現在、ポルトガルのGDPの4%以上を占めている。

 そんなテーマを抱えるパビリオンの中に入ると、照明が落とされた空間に魅惑的な光を放つ場所が何カ所かあり、来場者は、生命にとって不可欠な資源である海を探求する資料と触れ合いながら、重要な歴史的遺物を目にすることができる。

ポルトガル、万博

 地球儀だったり、南蛮の歴史だったり、伝統文化だったり、日本と言語が近いのか、ポルトガル語と日本語で同じ発音をする言葉が多いことなどを紹介している。
 同じ発音の言葉が多いには、ポルトガルやスペインには多くの日系移民がいて、その影響で日本語の中で一部が現地語として使われるようになっているようだ。

ポルトガル、万博

ポルトガル、万博

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 ほかにはポルトガルの周りにある海、大西洋に囲まれている国らしく、海や海洋にまつわる環境問題についての情報やブルーエコノミーについても発信している。

ポルトガル、万博

 大西洋で何が起こっているのか、日本からは遠い世界なので普段知ることのない情報なだけにしっかりみてほしい。

 次の部屋へ移動すると、カーブを描いた壁が両サイドにあり、そこでは海洋問題についての映像が流されていて、海が主語の文章が文字で表示され、来館者に訴えかけていた。

ポルトガル、万博

ポルトガル、万博

ポルトガル、万博

 特別な説明はないので自らの意思で考えないと、「よくわからない」パビリオン、で終わってしまうかもしれない。

 日本との関係が深いポルトガル。海で繋がる両国は、海に大きく依存した社会でもあるので、他人事ではなく、自分事として海洋問題に向き合う機会を提供してくれるこの機会に色々と学んでみるのも悪くない。