外観の知名度や人気度でいえば、万博会場内でダントツ1位ではないかと思うガンダムパビリオンの内部についに潜入した。
噂には聞いていたが、ガンダムシリーズの世界観を体感できるエンタメ要素の強いコンテンツで、軌道エレベーターやスペースデブリなど現実の世界と関連付けたストーリー展開などなかなか面白い内容になっていた。
館内に入ると、順番に整列し、壁に設置されたモニターの映像をみて、これから体験する宇宙への旅に関する概略を理解する。
その後、列単位で別れて、軌道エレベーターに乗り込み、まさにガンダムワールドに没入したかのような感覚になる。
目の前のドアが開いて軌道エレベーター内に入ると、側面と天井の中心部が窓という設定になっていて、エレベーター内から外で作業するモビルスーツたちの様子を見ることができる。
また、エレベーターは地上から発射され、高度3万6000キロに位置する宇宙ステーション、スタージャブローに到着するまでの宇宙旅行を体験するのだ。
実は大手ゼネコンが宇宙エレベーターというものの開発に本気で取り組んでいて模型も存在しているし、理論的な可能性の検証も終わっていて、近い将来かなり実現可能な技術として期待されている。また3万6000キロという距離も現実に考えられている数字なので、ここで登場する軌道エレベーターは、かなりリアリティーのある状況設定になっている。
そんな軌道エレベーターを降りると今度はかなり広い空間へ移動するが、そこはスペースジャブローの中で、ここでは前面と両サイドにあるスクリーンでスペースジャブローの船外の様子をみながら、宇宙での活動についての説明を聞く。
ガンダムの世界、というアニメの世界の話として捉えるのもありだが、ここで語られる内容は、今後人類が宇宙へ進出していく中で体験するだろう近未来の世界を見せてくれて、その時の様子を擬似体験させてくれているのだ。
子どもたちにとっては、まさに自分たちが大人になる頃、少なくとも生きている間に実現しているかもしれない世界なので、興奮することは間違いない。
80年代にガンダムとともに育った世代にとっては、感無量の体験なのかもしれない。
しかし、そんな気分に浸っていると、突然警報が鳴り出し、緊急事態発生を知らせるアナウンスが!即時に移動し、緊急対応するべく、次の空間へ移動。
ここでは巨大な窓を通して船外で作業するモビルスーツの様子や、広大な広がりを見せる宇宙空間がそのバックに広がっている様子が展開されているが、その中でスペースデブリにまぎれた敵が襲いかかってきて、仲間のモビルスーツが倒されて、スペースジャブローが危険な状態に晒される。

そこに登場するのが、我らがヒーロー、ガンダム。

最初は敵の攻撃に押されていたが、新装備のグラスフェザーをまとってパワーアップすると・・・。興奮の様子は会場で!

ガンダムパビリオンでの体験を満喫して館外へ出てくると、そこで待っているのはあの実物大ガンダム像。その後ろ姿を拝めるチャンスとあって、皆、写真を撮りまくり。

タイミングを測ったように水蒸気が噴き出てきて、雰囲気を演出してくれたり、ひざまづく左足の裏側をみられたり、最後まで楽しませてくれる。
ガンダムが世界中で人気の理由を再確認できた体験だった。
アニメから飛び出し、実体験できる空間に没入し、近未来には現実化するだろう世界を垣間見られるガンダムパビリオン。大人も子どもも楽しめるので、時間を確保して立ち寄るべきパビリオンの一つだ。