大阪・関西万博のEXPOメッセ「WASSE」内に設けられる栃木県ブースで27~29日、栃木県の伝統工芸「烏山手すき和紙」と現代墨絵アートが融合した新作提灯「大谷石インテリア墨絵提灯」が初披露される。
制作は、栃木県真岡市の老舗・有限会社ワタヤ商店によるもので、墨絵師・荒川颼氏とのコラボレーションで実現した。

この作品は、「伝統をアートする」というコンセプトのもと、江戸時代から続く提灯の製造技術に、荒川氏の〝筆を使わない〟墨絵という独自の表現を取り入れた意欲作。和紙の持つやわらかな質感と大谷石の温もり、そこに描かれる墨絵が織りなす幻想的な灯りが来場者を出迎える。
提灯には「山水共里(さんすいきょうり)」というキーメッセージが込められている。山や森、水といった自然の恵みと、里の暮らしの共生を理想とする精神を表現したもので、持続可能な社会の実現に向けた願いも込められている。展示期間中には荒川氏本人によるライブ墨絵パフォーマンスも実施され、伝統と革新が交差する現場として注目される。

ワタヤ商店は「日本の伝統工芸に現代的なアートの息吹を吹き込み、国内外にその価値を再認識してもらいたい」と意欲を示す。烏山の水から生まれる和紙を通じ、地域文化と国際交流の架け橋となることを目指している。