北陸新幹線の敦賀(福井県)―新大阪間の延伸を巡り、与党整備委員会は2024年12月20日、詳細ルートの決定を年明け以降に先送りすると発表した。これにより、25年度中の着工は困難となる見通しだ。
延伸区間は、福井県小浜市や京都市を経由して新大阪に至る「小浜ルート」が採用されており、京都市内の新駅位置について3案が検討されている。しかし、①京都駅の地下東西方向案は工期延長や地下水への影響が懸念され、除外された。残る②京都駅地下南北方向案と③京都駅西方の桂川駅付近案について、引き続き検討が行われる。
滋賀県の三日月大造知事は24日の記者会見で「小浜ルートは国が決定したものであり、早期着工が望ましい」と述べた。一方、京都府は建設工事が地下水に及ぼす影響を懸念し、沿線住民への丁寧な説明を求めている。
さらに、石川県を中心に、東海道新幹線米原駅(滋賀県)に接続する「米原ルート」を推す意見も根強く、ルート選定に向けた調整は難航している。環境影響評価や財源確保の課題も多く、政府と与党は慎重な議論を進める構えだ。