女性の正規雇用求人を専門に扱う求人媒体「女の転職type」が主催の「女の転職type転職イベント」が12月14日、グランフロント大阪北館B2階コングレコンベンションセンターで行われた。当日は出展企業31社、来場者が496人と、同社の想定を上回った人数が会場に集った。
このイベントは今まで関東圏を中心に開催されており、関西では今回が初。関西における「女性の転職市場」について、編集長である小林佳代子さんと大阪エリア担当の安井健太郎さんに話を聞いた。
同サービスは20年前にスタート。当初は現在と比べて女性の採用に積極的な企業が少なかったという。時代を経て、男性の賃金が上がらないことや物価高騰により、女性がより賃金の高い仕事に就く必要性が出てきた。同時に、「働き方改革」や「人材不足」が各業界で叫ばれる中、女性の活躍が企業にとっても必要になってきた。
例えば近年では、IT企業の女性採用が積極的になり、同社への求人掲載も急増したという。その背景には業界全体での人材不足があり、経済産業省もIT人材が2030年には最大で79万人不足すると発表している。一方、エンジニア職はリモートワークがしやすい職種であるため、女性にとっても家庭や子育ての両立がしやすいと人気を集めている。他業界でも近しい流れが起きると予想できるだろう。
すでに関東圏では女性活躍が浸透しているが、大阪は、東京の傾向や流行にワンテンポ遅れて浸透することが多い。「東京はリモートワークが広がりきって、今は逆に出社とのハイブリットワークに移行しつつあります。逆に大阪はこれからリモートワークが増えるのではないかと予測していて、それにより女性の方はもっと働きやすくなると思っています」と安井さん。女性の正規雇用についても同様に東京の流れを汲み、大阪でも今後求人数が増えていくと予測している。
一方全国的な課題として、管理職ポジションの求人の少なさを挙げている。幹部として女性を採用する、というシーンは求人を見ている限りはまだ少ないそう。ただ、大企業を中心に、意思決定層の女性比率を上げようという動きが起こっているので、将来はその状況も変わるだろう。今後の女性転職市場の伸びに目が離せない。