島津ゆたかとのデュエット「いい男!いい女!」でデビューし70万枚を売り上げた記録を持つ歌謡曲歌手、林よしこが歌手生活30周年記念のディナーショーを大阪市内で開いた。
記念の新曲「ただめぐりあうために」を作曲した杉本眞人も駆け付け、NHK紅白歌合戦でも歌ったヒット曲「吾亦紅(われもこう)」などを披露。親交のあるジャズ歌手朱夏洋子もお祝いに「スワニー」などをプレゼント。大先輩の歌手、安倍理津子も客席から見守り祝福した。
林は1994年にプロデビューしたが出身地・兵庫県川西市の親元を離れた東京での生活でホームシックになりダウン。その後、結婚出産をへて実家のカラオケ居酒屋「ほっこり酒場」を手伝いながらカラオケを歌ううちに「やり残したこと」に気づき再起。2013年に「春を抱いて眠りたい」でメジャー再デビューしこの楽曲が第 46回日本作詩大賞最優秀新人賞を受けた。翌年、夫と死別。18年に出した橋幸夫とのデュエット曲「君の手を」がオリコン週間演歌・歌謡ランキングで第1位を獲得。「デュエットしたい歌手」としての地位を確立した。
新曲の「ただめぐりあうために」では杉本作品らしい大人のためのリズム感ある曲調と小田めぐみの心に残る詞が組み合わさったメロディ。カップリングの「靴音」は同じ作家陣の作品で、残された部屋でいつまでも去った男の靴音を待ちわびる切ない女の心情を歌っている。
全11曲を歌い終えた林は終了後、出入口に立って来場者と握手しながら交歓。「30周年と言ってもお休みしていた期間も長く、不思議な感慨があります。お店にいらして頂けるファンのみなさまのおかげで今日が迎えられました。ご期待にお応え出来るように日々頑張ります」と決意を込めた。
(畑山 博史)