美の探究者 その感性と哲学(8) 〝ひじ〟を意識すると「首」「肩」が楽になる <久山奈津>

ル・キヤの久山奈津さん
久山奈津/まつげパーマが一般的でなかった1996年に創業。独自の「まつ毛カール」技術や「落ちないマスカラ」で一世を風び。まつ毛デザインと目元美容で、常に日本の先端を走り続ける。一流が集う東京と大阪・にサロンを構え、後進の指導にも力を入れている。

 美容サロンは人に触れる仕事なので、力みのない「しなやかな手」でお客様に触れることが大切です。私たちが力んでいるとお客様に心地良さやリラックスを感じてもらえません。私たち自身もリラックスして施術することが、テクニックより何より肝心なことだと確信しています。
 日常生活も力が入っていると疲れてしまいますが、リラックスすることでグンと体が楽になります。今回は「力まず楽な体になる方法」をみなさんと共有したいと思います。
 首や肩、ひざ、ひじ、股関節など年齢と共に動かしにくくなる関節は多くありますが、あまり注目されない「ひじ」にフォーカスしてみましょう。「ひじ」の動きは見落とされがちですが、意識することで〝体全体〟が楽になるのです。

 例えば、はしで食事をする時にあえて「ひじ」をついてみると、指先の力みが抜け、はしを軽くコントロールすることができます。行儀は悪いですが、「ひじ」を意識すると強(こわ)ばっていた肩も自然と下がり、静かで丁寧なはしの使い方に変わります。
 では、この感覚を「ひじ」をつかずに再現してみてください。指先ではしをキツく握りしめることをやめて…そうすると指先だけでなく肩や首、顔の力みも取れ、リラックスしていることが分かります。

 パソコン操作やスポーツ、歯磨きや掃除など、日常生活の動きすべてに応用でき、「ひじ」を意識して体全体をリラックスさせましょう。
 指先が緩むと顔や首の緊張も消え、額や眉間、目がやわらぎ、しわも改善されるのでは、と期待しています。

 さらに、私がお勧めするのは意識を腕に集中させ、指先までしっかり感じることです。そして両手の薬指を引っ掛けて引っ張り合うと、体の中に強い軸を感じられ、メンタルの強化も期待でき、腹筋が弱い人でも強くなる感覚が得られます。
 日々の〝力み〟に気づくことで力が抜けた状態が楽であることが実感できます。「力まず楽な体」を目指していけるといいですね。

(ル・キヤ代表 久山奈津)

ル・キヤ アイスペシャリテハービスENT店
大阪市北区梅田2ー2ー22 ハービスENT 6階 tel.06(6346)7644
まつ毛を傷めず育てながら、きれいに長持ちする“理想の上向きまつげ”を実現。