今、歴史的なインフレとともに米株式市場は6月13日、代表的な株価指標「S&P500」が20%以上の下落となり「弱気相場入り」したといわれている。もしかすると「〇〇ショック」と呼ばれる暴落局面に見舞われようとしているのかもしれない。
一方で、「長期目線では仕込み場が来ている。少しずつでも買い増していこうと思う」という投資家もいる。
気になるのは「この下落がいつまで続くのか?」ということだ。経済全体でみると、コロナ後の需給バランス改善や、ウクライナ危機の解消などによるインフレの鎮静化が必須なので長期化は避けられない。であるのであれば、これまでの暴落がどうだったのかをチェックすることにした。
米国株の代表指標「S&P500」を材料に、過去30年の実績をみると主に3つの暴落(ショック)がある。
▼ITバブル崩壊=直前高値からボトム(底値)まで最大47%下落、下落期間25カ月。戻るまでに4年8カ月かかった。
▼リーマンショック=直前高値からボトム(底値)まで最大53%下落、下落期間16カ月。戻るまで4年1カ月。
▼コロナ=直前高値からボトム(底値)まで最大32%下落、下落期間1カ月。戻るまで5カ月とこれまでの暴落と比べ短期間で済んでいる。
そして今はというと、昨年12月の高値からボトム(底値)まで最大22%下落し、6カ月が経過している。「いつ底を打つのか?」最長のITバブルは2年もかけて下げ続けている。また、戻るまでの期間に最長5年弱もかかっているが、ここで「ドルコスト平均法」で購入していれば平均購入単価も下がっているので、以前の高値まで戻る前にプラスには転換できそうだ。
未来は誰にもわからないが、ある専門家は「弱気相場入り日から起算して相場底入れまでに10週間下げが続く」といっているので肝に銘じたい。
一方、明るいニュースもある。投資信託協会が発表した5月の投信概況によると、投資信託に8862億円の純資金流入があり、61カ月連続の流入超過と過去最長を更新したという。会社別でみると野村證券と三菱UFJ国際投信がトップ2だ。各社の人気商品まで掘り下げてみると、野村は「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信D」で、三菱U国際が「eMAXIS Slim米国株S&P500」だった。
この事実からも最近では海外株式が多く、厳しい環境下でもコツコツと積み立てを継続している個人投資家の様子が感じ取れた。