豊かな自然×都心への利便性で「憧れの地」に
大東建託が発表した「住み続けたい街(駅)ランキング2023大阪府版」によると、トップ10のうち4駅が阪急千里線の駅でいずれも吹田市に位置している。中でも2位にランクインした「南千里」駅は、「住みここち」も2位、「街に愛着がある」も3位に輝いている。そんな街の魅力を取材した。
大阪梅田から約20分
6月下旬の蒸し暑い昼下がりに、阪急「大阪梅田」駅から「北千里」駅行きの普通電車に乗り込んだ。淡路から千里線に入ると電車は千里丘陵を上っていき、20分強で目的地の「南千里」駅に到着。思っていたよりも近く、速かった。「大阪梅田」駅までダイレクトアクセスできる他、大阪メトロ堺筋線に乗り入れ、北浜や堺筋本町といったビジネスの中心地にも便がいい。これなら通勤、通学や休日のお出かけに困ることはなさそうだ。
ショッピングセンターが隣接
駅前にはショッピングセンター「トナリエ南千里」があり、平日の昼間にも関わらず多くの人でにぎわっていた。スーパー、飲食店、ドラッグストア、本屋、100円ショップなど多様な専門店が入居しており、生活に必要なものは何でもそろう印象を受けた。
高品質で品ぞろえが豊富な阪急オアシスと青果仲卸業を母体とするサンキョーの2つのスーパーが入っていることも心強い。特にサンキョーでは、吹田市や近隣地域で収穫された野菜が豊富に並んでおり、まるで「道の駅」のよう。地元に住む人に話を聞くと、買い求めたい食材やその日の気分によってスーパーを使い分けているようだ。
豊かな自然がすぐそばに
高い交通利便性とにぎわいの中心となる駅前商業施設で都会的な印象を受ける南千里だが、自然豊かな環境であることも大きなポイントだ。駅からほど近い場所にある千里南公園は、10.5㌶の面積を誇り、吹田市民はもちろん、市外からも多くの来園者が訪れる憩いの場となっている。牛ヶ首池をぐるりと一周する遊歩道(916㍍)をウオーキングすると、ちょうど良い運動になった。
そんな同公園に2019年、新たな魅力が加わった。民間事業者が設置、運営するカフェレストラン「バードツリー」だ。同店を運営するのは、堀江の「ブルー」や梅田の「ブルーバード」など雰囲気の良い店づくりで知られるオペレーションファクトリー。記者もランチで訪ねてみたが、同社の特徴である洗練されたインテリアと目の前に広がる緑豊かなパークビューのコラボレーションはここでしか味わえない体験だった。
後藤圭二吹田市長も「四季を通じて魅力ある公園を楽しめる、センス良い空間を設けたい、その思いがバードツリーという形になった」とコメントを寄せている。
建て替えが進むURの団地
同公園の西側には30棟以上から成るUR都市機構の巨大な団地群「千里竹見台」が建ち並ぶ。同団地は1967年に管理を開始し、一部は大阪万博の従業員宿舎として活用された歴史があるという。竣工から50年以上が経過した同団地では、建て替え事業が進んでおり、2020年には第一弾として2棟が名前も新たに「千里グリーンヒルズ竹見台」に生まれ変わった。従前の高層スターハウスのデザインを踏襲した建物形状や、既存のランドスケープを生かした屋外計画などが評価され、「第4回吹田市景観まちづくり賞」を受賞している。
今年9月にはさらに3棟が建て替えを完了し、入居者の募集を開始する予定だ。