「人柄が土地柄です」「高知家(こうちけ)の家族にならん?」―。キャッチコピーとともに、移住施策に力を入れている各地の自治体でコミュニティを重視する取り組みが目立つ。20日、大阪市のシティプラザ大阪で開かれた移住イベント「イナコレ」(大阪ふるさと暮らし情報センター主催)でも、多くの自治体担当者が定住人口を拡大していくいために、「地域コミュニティを活性化していくことが大切」と強調。高知県の「高知家」などの具体的な取り組みも示され、新しい移住・定住施策の動きとして注目された。
「イナコレ」は「いなか暮らし情報をコレクション」をもじってイベント名にして毎年、開催しており、今年は15府県がブース出展。それぞれの移住担当者は就業(仕事)、住まい、子育て環境など、来場者が抱える悩みや課題の相談にアドバイスしていた。
そうした中、従来型の移住支援にプラスして、「移住者と地域社会」をテーマに、〝第2の故郷づくり〟の観点から定住につなげていくため、フォロー態勢を強化している取り組みが多く聞かれた。
「高知家」のポスターが印象的な高知県のブースでは、来場者に就農支援策として取り組んでいる県立農業担い手育成センターの仕組みや林業、漁業などの現状を紹介しながら、移住後の支援策も解説。
担当者は、移住の受け入れや移住後の支援を行っている民間組織「高知家移住促進プロジェクト」の活動や、県内23市町村に計190人(2023年5月現在)配している地域移住サポーター制度の仕組み、移住者交流会の開催などについて、きめ細かに説明していた。
男性スタッフは「高知家の由来は、高知県民=大家族、という考え方で、移住者を含めて同じ〝家族〟として助け合い、絆を深めながら、心豊かな地域社会の輪を広げ、移住・定住人口の拡大につなげていきたい」と話していた。