座っている時間が長いと、乳がんのリスクがアップ―。京都府立医科大(KPUM)などの研究チームがそんな傾向があることが日本人女性を対象にした大規模疫学調査でわかったと発表した。日本癌学会の公式欧文学術誌「Cancer Science」に掲載された。日本人の座位時間は世界でも長いとされている。1日7時間以上座っている人は乳がんを発症するリスクが36%高かった。日本人女性の9人に1人が乳がんを発症している。
研究チームは全国の大学やがんセンターなど約3万6000人を超える日本人女性を9・4年間(中央値)追跡したデータを用い10カ所以上の研究機関が収集している大規模調査データを解析。長時間座って筋肉を動かさない状態が続くと、「性ホルモンの乱れなどが生じやすく、乳がんの発症につながる可能性がある」とみている。チームでは、「ふだんから座っている時間を短くし、こまめに運動することが効果的」としている。厚生労働省や世界保健機関(WHO)も座ったままの行動を減らすように推奨している。