エーザイの認知症薬「レカネマブ」20日から発売 「高額療養費制度」で年間負担額の上限は14・4万円

「レカネマブ]=エーザイ提供
「レカネマブ]=エーザイ提供

 製薬大手「エーザイ」などが共同開発した認知症の原因の一つ、アルツハイマー病の新しい治療薬「レカネマブ」(商品名・レケンビ)は12月20日から国内発売が始まった。同治療薬はアルツハイマー病の原因物質に直接働きかけ、進行を緩やかにする効果を科学的に証明した初めての薬。認知症治療の新たな一歩となる。

 エーザイの認知症薬「レカネマブ」はことし9月に国の承認を受けて、厚生労働省の中央社会保険医療協議会(中医協)で保険適用に向けた議論が進められ、患者1人当たり年間およそ298万円と設定し、保険適用の対象とすることを決めた。使用できるのは認知症を発症する前の「軽度認知障害」の人や、アルツハイマー病の発症後、早い段階の人で、年間で最大およそ3万2000人、患者全体の1割未満とみられる。「高額療養費制度」を使えば70歳以上(年収156万~370万円)のケースで、外来による年間負担額の上限は14万4000円となる。

 エーザイの内藤晴夫最高経営責任者(CEO)は記者会見で「保険財政を大きく圧迫するようなレベルではないと考えている」と指摘した上で、「パイオニアとして取り組む」と語っている。