大阪メトロ本町ビル(大阪市中央区)で、空飛ぶクルマの展示やVR(仮想現実)による試乗体験が楽しめる「空クルラボキャラバン」が開かれている。2025年の大阪・関西万博で注目を集めた空とぶクルマを、より身近に感じてもらおうと企画されたもので、来場者数はすでに634人に上っている。展示は8月18日まで。

会場で目を引くのが、SkyDriveが開発した1人乗りの「SD-03」だ。20年に約4分間の公開有人飛行試験に成功した機体で、日本で初めて公開有人デモフライトを行った空飛ぶクルマとして知られる。模型ではなく、実際に飛行した実機が目の前に展示され、機体を間近で見ることができる。

もう一つがVR試乗体験。ゴーグルを装着すると、大阪港に整備された空飛ぶクルマの離着陸場「大阪港バーティポート」から飛び立ち、大阪の街を空から移動する未来を疑似体験できる。空飛ぶクルマがどのような乗り物で、将来どんな場面で活用されるのかを紹介する内容もあり、約6分間、未来の空の移動を体感できる。

都島区から訪れた女性は「ジェットコースターや飛行機がちょっと苦手なんですけど、それを感じるくらいリアル。ほんまに乗っている感覚でした。これが日常になったら乗ってみたい」と話した。一方、河内長野から訪れた男性は「新しい交通手段の未来を体験できて楽しかったが、実際に運航が始まれば乗ってみたいけど、安全性を見極めてからかな」と慎重な本音ものぞかせた。
渋滞を飛び越える移動へ
空飛ぶクルマの強みの一つが、道路に縛られず目的地を直線的に結べることだ。同社の事業企画の川賀俊介さんは「機体によって特徴は異なるが、SkyDriveのようなプロペラを使って垂直に離着陸するタイプは小回りが利き、市街地など比較的短い距離の移動にも適している。移動のイメージとしては『10分で10キロ程度』が目安。道路の渋滞や地形の影響を受けにくいため、地上では時間がかかる区間ほどメリットが生まれる」と話す。

同社は25年3月、大阪港に空飛ぶクルマ専用の「大阪港バーティポート」を整備。さらに建設中の森之宮新駅にも将来、バーティポートを設ける構想を掲げている。地下鉄やバスなどが充実する南北方向に比べ、空の移動について「東西の移動でうまく使えたら」と期待する。地下、地上に加えて「空」を交通網に組み込み、大阪の移動をより便利にする狙いだ。
「未来の乗り物」だった空飛ぶクルマが、いつか地下鉄やタクシーと同じように行き先に応じて選ぶ交通手段になるかもしれない。VRの中で見た大阪の空の風景は、その未来を一足早くのぞかせている。
「空クルラボキャラバン」は大阪メトロ本町ビル1階エントランスホール(本町駅7号出口直結)で開催。開催日時は9日、11日、14日、15日、16日。体験時間は午後12時〜同6時。入場無料で予約不要。
(竹居真樹)
