アスリートのセカンドキャリアを支援する一般社団法人「アスリートの羅針盤」が、今夏から大阪で本格始動する。理事に元朝日放送アナウンサーの楠淳生さん(65)、元オリックス・バファローズ球団職員の辻純治さん(68)が就任。アンバサダーに“世界の盗塁王”福本豊さん(75)を迎え、再スタートを切るアスリートのサポートに力を注ぐ。
理事長の角野大輔さん(42)は大阪市内で建設業を営む、明星高校野球部OB。日頃プロ選手と接点を持つ機会も多く、引退後に苦労している“元選手”の姿を目の当たりにし「アスリートたちが学び、社会で再スタートできる仕組みをつくりたい」と昨年11月に設立した。
主な活動内容は、「IT・デジタル」「経済・資金運用」「コミュニケーション」「成功先輩の講話」を柱としたビジネス研修(約3カ月、15回、受講料3万円)。受講生は原則35歳まで、プロ、アマ、競技ジャンルや性別は問わない。第1期は7月から大阪市内で開講する。
研修後は、受講者の適性を見極めた上で、企業とのマッチングや採用後のサポートも行う方針。元選手の受け入れに前向きな企業がすでに集まり始めており、その職種は販売、運輸、飲食、介護、倉庫業など多彩という。
22日に大阪市内で開かれた発表記者会見には、福本さんが駆け付け「自分ができることはしれているが、やって良かったなと言われるような取り組みになると思う。何ができるか分からないが協力したい」とアピールした。
辻さんは「セカンドキャリアを支援する団体はたくさんあるが、球団職員や約40年スポーツキャリアのあるアナウンサーがやるのはレアである」と強調。
コミュニケーション研修で講師も務める楠さんは「大学でも教えているので任してほしい。エントリーシートの書き方や面接の通り方など網羅している」と意気込んでいた。