障害で「本が読めない」人のための〝LLブック〟フェア

 知的障害や自閉症など、「本を読めない・読みにくい」という課題を抱える人々が読書を楽しみ、必要な情報をわかりやすく得られる「LLブック」の展示・販売イベント「第17回LLブックフェア」が30日まで路地カフェ(大阪市中央区内久宝寺町2-7-31)で開催されている。開催時間は平日の午前10時から午後5時。
 会場では多様なLLブックの展示と販売が行われ、来場者が実際に手に取って読める。ほかに、デジタル図書(音声・テキスト・画像同期)を再生するためのソフトウェア「デイジー図書」の操作も体験できる。

各団体が作成しているLLブックのサンプル
デジタル図書(音声・テキスト・画像同期)を再生するためのソフトウェア「デイジー図書」

 「LLブック」とは、スウェーデン語の「Lättläst」(やさしく読める)の頭文字を取ったもので、文章や表現を簡潔にし、写真やイラスト、絵記号(ピクトグラム)などを多用した「やさしく読みやすい本」で、大人向けの絵本ともいえる。
 知的障害や自閉症のある人はもちろん、読み書きが苦手な人や日本語が母語でない人、高齢者など読書に困難を抱える多様な読者に配慮して制作されている。やさしい語彙(い)・短い文、絵や写真による視覚的情報の活用、必要に応じた漢字へのふりがな付けなどの工夫がされている。
 LLブックは子ども向け絵本とは異なり、仕事や家事、人間関係など、青年・成人が生活に必要な情報や物語にアクセスできる読み物として欧米で広く普及し、日本でも図書館や福祉団体が普及に取り組んでいる。

掲示物は料理の方法を教えるLLブック。机の上は化粧のやり方などのLLブックが並んでいる
吉田くすほみさん

 主催の「知的障害・自閉症児者のための読書活動を進める会」のメンバーである吉田くすほみさんは、LLブックの立役者の一人であるブロール・トロンバッケさんと出会ってLLブックの存在を知ってからその重要性を感じ、一般人に知ってもらうための活動を行っている。
 吉田さんは「もともと私が本を読むのが好きで、本を読めないなんてもったいない!と思ったんです。関係者の中でも知らない人がとても多いので、一人でも多くの人に知ってもらうことで、どんな人でも読書を楽しめる権利を保障していきたいです」と話す。

 2月23日には、大阪市立中央図書館(大阪市西区北堀江4−3−2)で、LLブックに関するセミナーも開催予定。午後1時からで予約不要で、先着順で受け付ける。

タイトルとURLをコピーしました