ノーベル賞チリ詩人ガブリエラ・ミストラルの遺産に触れる特別展 詩でつながるチリと日本

 チリパビリオンでは、8月4~10日の間を「ガブリエラ・ミストラル週間」として、ガブリエラ・ミストラルに捧げた独⾃の⽂化体験を展示する。

 彼⼥は1945年にラテンアメリカ初で唯⼀、ノーベル⽂学賞を受賞した⼥性で、この画期的な出来事から80年を経て、チリパビリオンは来館者が彼⼥の詩的、教育的、⼈間主義的な遺産と出会える空間へと変貌を遂げる!

チリ、万博

 「ガブリエラ・ミストラル週間」は、展覧会、朗読会、五感体験、異⽂化対話を通じて、彼⼥の⽣涯と作品を探求する機会になる。来館者は、この⼥性が詩を⽂化の架け橋に変えた⽅法、そして平和、平等、地球への愛のメッセージを感じられる。

 この記念⾏事の焦点の⼀つは、ミストラルが遺作として残した「ポエマ・デ・チリ」だ。

チリ、万博

 この作品では、ミストラルが先住⺠の⼦どもとアンデス⿅と共に国内を旅し、⼟地の⾵景、記憶、声と対話している。この作品は、チリの地理と精神性、⽣態学、アイデンティティといった普遍的価値を結びつける没⼊型体験としてパビリオン内で紹介される。
 「ポエマ・デ・チリ」には、ノーベル賞受賞者が20年間かけて書いた77編の詩が含まれており、彼⼥の死の時点では散在しており、⼀部は未完成だった。

 ⽇本では、ラテンアメリカ⽂学の専⾨家である⽥村聡⼦⽒によってガブリエラ・ミストラルの⼈物像が研究され、翻訳されてきた。⽥村⽒は、ミストラルの詩的感性と⽇本の魂の近さを強調している。チリの⽇刊紙に対し⽥村氏は「チリ詩を⽇本語に翻訳する上で最⼤の困難の⼀つは、カトリックと仏教の思想の違いでした。カトリックの神秘主義を、⽇本の読者が理解できる⾔葉に置き換えるのは⾮常に困難でした」と述べている。

 ガブリエラ・ミストラルはチリを代表する存在だけでなく、教育を変⾰のツールとして、⽂化を交流の場として、詩を魂の⾔語として信じるすべての⼈々を代表する存在で、⽇本とチリが⾔葉の美しさと多様性への尊重を通じて結ばれる機会を提供する存在なのだ。

パビリオンでの活動

▶8⽉4⽇(⽉)~10⽇(⽇) 午前10時~午後6時
没⼊型インスタレーション:「チリは空でどうなるのか?」
パビリオンのスクリーンでのガブリエラ・ミストラルに関するオーディオビジュアル投影。

▶8⽉6⽇(⽔)、7⽇(⽊)、8⽇(⾦) 午前11時~正午
折り紙ワークショップ:「チリの⾵景を折る」
ガブリエラ・ミストラルが愛したチリの⾵景を折り紙で表現:キツネ、コピウエ、コンドル、またはアラウカリアの⽊。チリ・⽇本⽂化研究所の加藤恵美が指導し、チリの詩にインスパイアされたワークショップ。

▶8⽉6⽇(⽔)、7⽇(⽊)、8⽇(⾦) 午後3時~4時
紙芝居朗読:「ルシラと⼤地の声」(ルシラと⼤地の声)、作家マリア・ホセ・フェラーダ作

▶8⽉6⽇(⽔) 午後5時~5時半
8⽉7⽇(⽊)、8⽇(⾦) 午後4時15分~4時45分
ガブリエラ・ミストラル作の詩の紙芝居朗読(マリア・クリスティナ・ペレス・デ・アルセ⽒による)。チリ・⽇本⽂化研究所所⻑。

▶8⽉7⽇(⽊) 午後5時~5時半
ジャーナリストのヴィヴィアン・ラヴィンによる作家マリア・ホセ・フェラーダへのインタビュー(ガブリエラ・ミストラルと作家の⾃身の作品について)。

 以下のイベントも開催される。
 ⼦どもと若者によるスペイン語と⽇本語のバイリンガル俳句の発表。スペイン語と⽇本語のバイリンガルポストカードとブックマークの発表(このイベントのために特別に翻訳されたもの)。