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杜このみ、春場所奮闘の夫・高安を支えつつ大阪で熱唱

ダイナッミックな歌声が魅力の杜

 民謡出身の実力派演歌歌手、杜このみ(35)が夫で元大関の幕内力士、高安が力戦奮闘中の大相撲春場所(エディオンアリーナ大阪)に合わせるように来阪。同学年に当たる夫の活躍を横目に京阪神の放送局などを精力的に回っている。「テレビ中継を見ていても〝ケガだけはしないで〟といつもハラハラ。関取(高安)の相撲は秒単位の一瞬に命を掛けて日々の土俵を務める。私は1曲3分ぐらいですがやはり歌に命を掛けて一瞬を生きる」と話し、互いを思いやる心は深い。

若妻らしく衣装は留め袖も多い杜

 家庭では長女(4)と長男(2)のママ。「周囲からは〝女の子は歌手、男の子は力士に〟なんて言われますが、子ども達のしたいことをさせて上げたい」と柔軟だ。

 昨夏発売の新曲「夕霧港」はシンプルな演歌だが、音程の上げ下げが微妙に難しく予想を裏切る。「前作〝葺風峠〟と同じ円香乃先生の作詞、岡千秋先生の作曲。今回は円先生が北海道白老町で港に掛かる霧をご覧になり、パァーとイメージが広がり詞を書かれたそう。だからレコーディング前、円先生のお宅でレッスンしました。シンプルな分、伝える力が試されている作品。3回聴いて頂けると詞の良さが分かります」と自信を見せる。特に難しかったのは終盤に出てくる〝オーエヤサー〟という民謡風の掛け声。「掛け声は北海道民謡に付きものですが歌う方に寄って少しずつ違う。今回は主人公の心模様を現す掛け声。それは力強くて熱い物を秘め、ドラマチックで繊細。その意味を込めました」と話す。

普段着はパンツルックも多い杜

 師匠は同じ民謡出身で演歌大御所、細川たかし(74)。「師匠は普段はすごくやさしい。私より年下の彩青くん(22)や田中あいみちゃん(24)も伸び伸びやっています。でもいったん歌の指導になると絶対に妥協しないし厳しい。そして裏では細かいアドバイスを一杯下さいます。師匠が舞台に登場し歌うと、ホール全体に雪が舞い風が吹くのが見える。その力強い歌声に励まされた方はたくさんいらっしゃる。一生かなわないかも知れないけどずっと背中を見続けて追いかけたい」と思いを込めた。

(畑山博史)

杜このみの新曲「夕霧港」CDジャケット