「無添加にこだわり、安くて、おいしい」おにぎりを販売
JR大阪駅直結のショッピングセンター「KITTE大阪」(大阪市北区)に出店中の沖縄を代表するおにぎり(ポークたまごおにぎり)の専門店「ポーたまKITTE大阪店」が話題を集めている。「関西初出店」「できたて」といったキーワードに魅せられる人が多い。
そもそもおにぎりはソウルフードとして、日本人に愛されるだけでなく、世界からも注目される日常食のひとつだ。食べるとお腹が満たされるのはもちろんのこと、ほっこりする。「手作り」「できたて」であれば、なおさらだ。
現役女子大生が「おにぎり専門店」に初挑戦
かくいう記者も、「手作り」「できたて」おにぎりに目がない。8月29日に大阪・八尾にオープンしたばかりのおにぎり専門店「vinzai(ばんざい)」を訪ねた。店を切り盛りするのは現役女子大生の2人だ。
バイト先の飲食店で出会った2人は、働くうちに起業への思いを募らせたという。「卒業後は就職せずに飲食店を開業する」。意思が固まると、バイト先の系列店が夜間営業であるため日中なら間借りできるのではないかと考え、店長に相談したところ快諾された。「間借りなら、学業と両立しながらでも負担が少ないと思って。2人とも調理経験が浅いこともあり、おにぎりだったら、こだわって作ることができる。子どもからおじいちゃん、おばあちゃんにまで幅広く食べてもらえるのも、おにぎりを選んだ理由です」と話す。
店名の「vinzai(ばんざい)」は間借り先の店名『italian bar vinsant』の一部を取り入れ、両手を挙げて喜びなどの感情を表現する「万歳」にかけて考案した。女の子が万歳する様子をかわいらしいイラストで表現したロゴは、橋詰さんが描いたものだ。
毎日食べられる具材の組み合わせと価格設定
2人が作るおにぎりの特徴は、そぼろとだし巻き、しらすと明太子、うなぎとたくあんというように、2種類の具材を組み合わせている点だ。コンビニよりもちょっと多めの分量のごはんに、こだわり具材を詰めたら、なかなかのボリュームとなり「女性なら2つ、男性でも3つ食べたらお腹いっぱいになる」と千本さん。
物価高が叫ばれるこのご時世に、いずれの商品も150円~300円(税込)で購入可能。毎日でも安心して食べてほしいからできる限り保存料無添加にこだわり、お財布にも優しい価格帯に設定した。具材の組み合わせを変えると78種類にも及ぶので、好きなパターンを日替わりで探すのも楽しそうだ。
定番メニューの中には進化系おにぎりも
人気メニューは冒頭の「そぼろ×だし巻き」200円(税込)と、「雲仙ハムバーガー」300円(税込)=写真。前者は、毎朝出汁を取って焼くだし巻きと甘辛い味付けのそぼろがくせになるおいしさ。後者は、スパムおにぎりから着想を得たものだが、「スパムはちょっと塩辛くて。ハムをいちから作ろうかと考えていたら、この雲仙ハムに出会った!」と橋詰さん。だし巻き、レタスと挟んで、食べ応えはあるものの老若男女に好まれる優しい味わいのおにぎりバーガーが誕生した。
今後は学童のお弁当や一人暮らしの高齢者の食事も
開店して約2か月。じわじわと地域に浸透し、午前11時~午後2時という限られた営業時間ながら近所の主婦や高齢者、学生がおにぎりを求めてやって来る。テイクアウトだけでなくイートインも可能で、イートインでは注文を受けてから、テイクアウトも時間をもらえればできたてを提供する。おにぎり以外に味噌汁(豆腐または、あおさ)各200円、数種類のドリンクを用意。常連客や知人からは「学童向けにおにぎりを届けてもらいたい」というリクエストもあるのだとか。先日は初めて地元のイベントにも招かれてブース出展した。「ゆくゆくは、学童の子どもたちだけでなく、一人ぐらしの高齢者の食卓にも【無添加×安い×おいしい】にこだわった私たちのおにぎりを届けたい」。地域の孤食も癒やす目論見のあるおにぎり、「いいね!」では足りない。「万歳」いや「万々歳」か。詳しくは、(https://www.instagram.com/omusubi_vinzai/)へ。