〝孤独の歌姫〟田中あいみ 術後保護で今だけ眼鏡姿

 2年前の日本レコード大賞最優秀新人賞を「孤独の歌姫(シンガー)」で受けたソウルフルな歌声の演歌歌手、田中あいみ(24)が7月に出した5作目シングルCD「TATSUYA」がいきなりUSENランク1位になった。

真夏の日差しを受けて田中あいみの眼鏡がキラリ=大阪・MBSラジオ

 ところが〝好事魔多し〟の例え通り、左目に異常を感じ網膜剥離と診断され緊急手術し一時入院する騒ぎに。現在は術後保護のため眼鏡着用でPR活動し、歌う時はサングラス姿に。入院時期が思わぬダイエットになり小顔効果も。「眼鏡姿は今だけ。皆さん、顔見に来てね!」と屈託がない。

 新曲のテーマは『命の尊さ』。「バイクで死んだ竜也の後を追いたい、でもお腹のこの子が止めるんよ…」ヤンキーなヒロインによる一直線の表現。実は2021年のデビュー曲候補だったが、現役大学生のデビュー曲として「ふさわしくない」といったんお蔵入りした経緯があった。

網膜剝離直前の田中あいみの普段の歌唱はこんなスタイル

 「当時はヒロインの気持ちを十分理解できないところがあった。私の周りにもシングルマザーの友達いるし、今では心の底から歌いたい気持ちが強い」と明かす。カップリングは昭和の日米混血歌手、青山ミチ(2007年67歳で死去)が歌った「叱らないで」(1968年)をカバー。団塊世代の男性なら一度は聞いたことのある曲。「背景までは知らないんですが、音域の高低差が広くて単純に難しい曲。担当ディレクターが探してきてくれました」と明かす。

 反応を心配だった眼鏡顔はファンに意外な好評。元々近視でコンタクトレンズを使っていたが術後の細菌感染などを防ぐため、当面はライトが当たる歌唱時はサングラス、普段は素通し眼鏡を使っている。「まだ腫れも残ってるし…」。8月18日からの大阪・新歌舞伎座公演「梅沢富美男劇団」への出演が決まり、歌だけでなく初めて本格舞台芝居にも挑戦。「それまでには完治します」と指折り数えている。

田中あいみ「TATSUYA」のCDジャケット

 7月26日に24歳になった。同じ辰歳年女の一回り上には大の仲良しの新世代歌謡歌姫(ディーヴァ)・藤井香愛(36)。その4つ上には紅白歌手・丘みどり(40)、10歳デビューの史上最年少演歌歌手・さくらまや(26)と4人が同じ日付で並ぶ。「皆さん独特の個性あるし、将来演歌女子4人で何かできたら最高」と持ち前の明るさで夢を語った。

(畑山博史)