「十三」に超高層タワマン 〝新たなまちのランドマーク〟創出 京阪神〝扇の要の存在〟に期待


▲旧淀川区役所跡地を中心に2026年の完工を目指して39階建てのタワーマンションや市立図書館などが入る複合施設、学校施設などが建つ新たなまちのランドマーク(イメージ図)

 古くから下町の風情が漂う大阪の歓楽街として知られる大阪・十三(じゅうそう)。京阪神の大動脈・阪急電鉄の梅田駅から2つ目の駅、京都・神戸・宝塚への分岐点でもある。この十三駅南東エリアの旧淀川区役所跡地を中心に2026年の完工を目指して39階建てのタワーマンション(712戸)や市立図書館などが入る複合施設、学校施設など新たなまちのランドマークが創出される。さらに十三には31年の開業目標の新大阪連絡線となにわ筋線が加わる予定で、京阪神の〝扇の要〟となる存在も期待される。

十三の魅力向上へのまちづくりが動き出す

新たなライフスタイルの場を創出

 歓楽街のイメージが強い大阪・十三の街並みが近い将来、様変わりしそうだ。駅から至近の好立地にあった旧淀川区役所跡地に2026年、39階建てのタワーマンション(712戸を予定)と複合施設には市立図書館、図書館と連携したライブラリー、保育・学童施設、1階には多様な暮らしに対応したスーパーマーケットがテナントとして入いる。

 このエリアには約2万7000平方mのにぎわい広場を設け、多世代が集い新たな交流を生み出すまちのランドマークを創出する。この複合施設は代表事業者の阪急阪神不動産と、地元の高松建設が20年10月、市と70年の定期借地契約を締結(入居期間は約60年)。

 さらに、西向かいの用地にも7階建ての医療・スポーツ系専門学校(7階建て)を建設し、学びとつながった開放的なピロティ空間も設け若者を中心としたにぎわいの創出も期待される。

 近隣住民の憩いの場として親しまれる淀川河川敷十三エリア。阪急「 十三」駅東改札口から徒歩約7分とアクセスは良好だ。連日、ジョギングや散歩を楽しむ市民が集い、四季折々の季節感も豊かで〝都会の中のオアシス〟の風情だ。

 このエリアを大阪市は民間活力を導入し、さらにグレードアップした形で市民らが集う憩いの場に整備する。そのためのマーケットサウンディング(市場調査・情報収集)を実施している。

 今回の調査では淀川河川敷十三エリアを①堤防のり面②河川公園③親水空間―の三つに分けて事業者の意向をリサーチ。

 ①堤防のり面は、オープンカフェやキッチンカーによる販売、サイクリングやランニングのステーションなど、イベントを開催したい事業者を募集②河川公園は、約1万5千平方mの敷地に芝生が敷かれる予定で、バーベキュー場やグランピング場などの活用を想定する。また、③親水空間はSUP(スタンドアップパドルボード)、カヌー、ボートなど、船着き場を利用した水上アクティビティの提案を募集するという。

 大阪市などは調査を参考に事業者を公募し23~24年度ごろに選定し、25年度ごろにも施設の開業を目指している。また、事業予定地では近畿地方整備局が23年春にも船着き場を整備する計画で、将来的に臨海部の夢洲などと船遊覧船で結ばれる可能性もある。

 さらに交通アクセス面においても現在の阪急京都線・宝塚線・神戸線に加え、阪急が十三駅から関西国際空港までつながる鉄道新線「なにわ筋連絡線」(31年春開業目標)とJR新大阪駅を結ぶ2つの連絡線も十三が起点だ。十三が持つ本来の立地的なポテンシャルを発揮する事で、大きく街が様変わりしそうだ。