なにわの海の時空館 大阪市の〝負の遺産〟再整備へ 新事業者は「シンフォニックスリール(大阪市)」

再整備後のイメージ=シンフォニックスリール社提供
再整備後のイメージ=シンフォニックスリール社提供

 大阪市の〝負の遺産〟と言われ、10年前に閉館した「なにわの海の時空館」(大阪市住之江区)の活用方法が決まった。市は施設を民間に活用してもらおうと、事業者をを公募し、11月24日に新たな事業予定者として観光コンサルタント会社「シンフォニックスリール」(同市中央区)に決め発表した。

 「なにわの海の時空館」は総工費176億円をかけて2000年にオープンした大阪の海を紹介する海洋博物館。江戸時代の「菱垣廻船(ひがきかいせん)」を復元した木造船が目玉だったが、入場者数が伸び悩み、毎年2億円近い赤字を出し10年前に閉館した。市は閉館後10年間にわたり維持費として約7000万円を負担し〝負の遺産〟と呼ばれていた。

 新たな施設では「いのちを満たすミュージアム構想~Premium Jewelry Dome Osaka~」をコンセプトに掲げて、「菱垣廻船」を復元した木造船を活用した体験型文化ミュージアムに再整備し、大阪・関西万博にあわせ2025年3月ごろの開業を予定している。

 同社は周辺にあらたな建物を建設し、国内外の富裕層を対象にした観光事業を展開する計画。