大阪府が発表した2023年の府内の基準地価(7月1日時点)は商業地が4.3%増(前年はプラス1.6%)で2年連続、住宅地も1.3%増(同0.4%)と大幅な上昇となった。東京と大阪で商業地と住宅地の最高価格ランキングを比較した表もあわせて掲載する。
調査は689地点。商業地では前年からの下落はゼロ。特に大阪市では商業地の上昇率が前年の1.7%から5.5%に急上昇。
最高価格は4年連続でJR大阪駅前のグランフロント大阪南館(北区大深町)で1平方㍍あたり2300万円。マイナスだった前年から上昇に転じ、上昇率は4.5%だった。
市区町村別に上昇率を見ていくと、トップは大阪市西区(9.1%増)。次いで同福島区(7.8%)、同北区(7.6%)の順。
JR大阪駅北側の再開発「うめきた2期」が2024年9月の先行まちびらきに向けて整備が進んでいることもあり、再開発地域の西側にある福島区の商業地は10%を超えた。西区も「なにわ筋線」効果などで10%前後の上昇地点があるなどキタ・ミナミよりも“ニシ”の上昇が目覚ましい。大阪・関西万博や30年に開業が見込まれるIRなどへの期待感も地価を押し上げたとみられる。
国内外からの観光客が多く行き交う繁華街ミナミの中心部にある「デカ戎橋ビル」の変動率は、前年比プラス4.3%。インバウンドや国内旅行の回復から、観光地の周辺や繁華街での上昇が顕著となった。
大阪市では住宅地も上昇率が2.5%と前年(1.1%)より拡大。区別の上昇率が高い順は淀川区(5・3%)、都島区(5.1%)、東成区(4.9%)。
住宅地の最高価格は、天王寺区真法院町が1平方㍍あたり67万5千円で24年連続首位。来年3月に大阪メトロ御堂筋線に直通する北大阪急行電鉄の延伸を控える箕面市は平均で1.9%(前年0.9%)と上げ幅が広がった。