新築・中古にかかわらず、住宅購入の際、真っ先に頭によぎるのがお金のこと。国や地方自治体ではリフォームに活用できる補助制度を各種用意しているが、内容や管轄団体が多岐にわたっていて分かりにくい部分もある。今回は、各補助制度の見方についてまとめた。
社会課題解決のための「リフォーム補助」
国または地方自治体がリフォームを後押しする背景には、住戸を通じての社会課題の解決、安心安全なまちづくり、良質な住宅資産の担保、という狙いがある。
そのため、リフォームを行うことそのものに補助があるわけでなく、活用できる内容については主に、①バリアフリー・介護 ②省エネ・エコ・断熱(窓リフォーム・断熱リフォーム等) ③耐震診断・耐震改修 ④新婚・子育て ⑤その他(空き家対策など)のいずれかに関する内容になる。
施工内容としては、例えば下記のようなもの。
■省エネ:断熱サッシの交換、高効率給湯器への交換
■耐震:耐力壁の増設、屋根の軽量化、柱又は梁の強度を向上
■バリアフリー:手すりの設置、床段差の解消、玄関スペースの拡大
■子育て:対面式キッチンで子どもの見守り強化、防犯フェンスで不審者の侵入防止
【ポイント】
●申請する場所が、国の各省、都道府県、市区町村の場合とそれぞれ異なる
●個人申請と事業申請がある
●事業によって申請タイミングが施行前か施工後かが異なる
●予算が尽きてしまい受付を終了している場合もあるため、早めに申請するのが基本
「いっぱいあるからわからへん!とりあえずざっくり相談したい!」という人は、各リノベーション会社に相談してみるのも一法。また、住まいの相談窓口のウェブサイトでも情報が掲載されている。
●住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争支援センター)
電話0570(106)100
住まいの「困った」を相談できる国土交通大臣指定の相談窓口
●大阪市立住まい情報センター
電話06(6242)1177
補助金の申請窓口ではないが、リフォームするときの注意点など住まいに関する情報提供をしている
●一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会
住宅リフォーム推進のための諸制度の改善活動と普及企画などを実施する団体。電話相談はしていないが、ウェブサイト(https://www.j-reform.com)でセミナーや補助金制度の情報提供をしている
リノベ・リフォームにまつわる補助制度
大阪市耐震診断・改修補助事業
申請:住居所有者
耐震改修工事、耐震除却工事に要する費用の一部を補助。木造住宅の所有者に対しては耐震事業者の情報を提供。
大阪市新婚・子育て世帯向け 分譲住宅購入融資利子補給制度
大阪市においては物件購入にも補助制度がある。新婚世帯・子育て世帯を対象に、住宅ローンの利子の一部を補助。
戸建ZEH補助事業(環境省・経産省)
申請:住居所有者
家庭内の大幅な低炭素化をした場合に支援がある。常時居住する戸建て住宅であること、登録されたZEHビルダー・プランナーが設計、建築、販売を行うことが条件。
令和5年度 長期優良住宅化リフォーム推進事業(国交省)
申請:施工事業者
既存住宅の長寿命化や省エネ化等に資する性能向上リフォームや子育て世帯向け改修に対する支援。
住宅省エネ2023キャンペーン(国交省 ・経済産業省、環境省)
(こどもエコすまい支援事業、先進的窓リノベ事業、給湯省エネ事業)
申請:施工事業者
子育て世帯・若い夫婦世帯が、高い省エネ性能を有する新築住宅を取得もしくはリフォームした場合の補助。