実装可能プラン続々 高校生ビジコン開催 年々レベル向上

出場者らで記念撮影

プラン総数5000超の中から、智辯学園和歌山高がファイナルへ

 日本政策金融公庫が主催する、「高校生ビジネスプラン・グランプリ」南近畿地区のプラン発表会が12月26日、北区鶴野町の関西大学梅田キャンパス(KANDAI MeRISE)で行われ、「ベスト100」に入選した同地区(大阪、奈良、和歌山)から9チームのプランが披露された。

9チームが「ベスト100」に選出

 発表会では始めに関西大学事業推進局の服部真人局長が挨拶。続いて全国から応募総数5151件(536校)の激戦の中、「ベスト10」のファイナリストに入賞した智辯学園和歌山高校のチーム(同県)「カロリーメイトブルーベリー味」と、「ベスト20」の西大和学園高(奈良県)長井綾音さん(個人)をはじめ、「ベスト100」に選出された常翔啓光学園高「MOKTOS」、S高「森田麻位さん(個人)」、大阪府立大阪ビジネスフロンティア高「This is “ME”」ら大阪から3チーム、府外から西大和学園高(奈良県)岡田くるみさん(個人)、五條市立西吉野農業高(奈良県)「西吉野農業高校農業クラブ」、奈良県立商業高(同県)上田実弥さん(個人)、和歌山県立熊野高(同県)「Kumano サポーターズリーダー」の計9チームが出場した。

 高校生ならではの視点も交え、世の中の仕組みをより良いものに変える事業プランをメンバーらが協力して発表。コメンテーターの三根早苗氏(パワーエンハンスメント代表)、西出喜代彦氏(HONESTIES代表)、東純子氏(大阪産業創造館経営相談室コンサルタントリーダー)、東大悟氏(アニバーサリーボイス代表)の4氏らが熱心に耳を傾け、論評とアドバイスを送った。

 「ファイナリスト」に選出された智辯学園和歌山高のチーム「カロリーメイトブルーベリー味」は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)で苦しむ人の体位療法を充実させたいという思いで、独自にゴム製の三角すいコルセットを開発。ストレスの少ない寝返りデバイスを試行錯誤しながら製作し、SASに苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いをプレゼンに込めた。

ファイナリストで表彰された智辯学園和歌山高のチーム「カロリーメイトブルーベリー味」のメンバーら

 ほかの8チームも、ドッグウィッグの開発や、サステナブルな歯ブラシ、奈良県発祥の伝統植物「葛(くず)」栽培の新技術、神社と推し活を掛け合わせたアプリ開発、日常使いできる防災グッズ、使用率が低いといわれる女性向けAEDシートの開発、脱毛症の人のウィッグが不自然でなくなる「もみあげシール」開発、大学教授と企業の連携プランなど、人々の生活や地域の課題、環境問題といった課題解決をプレゼンした。

コメンテーターからの質問に答える、大阪府立大阪ビジネスフロンティア高「This is “ME”」のメンバーら

 4氏のコメンテーターからは「ビジコンの策定内に留まらず近日中にも事業化を見据えている」「この着想はすぐにでも特許庁に申請すべき」「製品として完成度が高い。今後はどう広げるか、展開が楽しみ」などと高い評価を得た。

 最後に同公庫国民生活事業、川口英明 和歌山支店長は「50倍の確率で選ばれたプランはどこも堂々たる発表ぶり。細かな調査や地道なフィードバックがあり、実現性の高いプランが多かった。変化の多い時代だからこそチャンスがたくさんある。この経験は人生の財産になると思います」と温かい言葉で締めくくった。