おしゃれなカフェで、パティシエとして

「やりがい」を持って就労できる施設

 兵庫県川西市の住宅街の商業施設の中にある「cafe muku」。今どきのおしゃれなナチュラルカフェ、という印象を抱く同店は、就労継続支援B型事業所も兼ねている。


 カフェの運営に加えて、無添加クッキーのオンライン販売も実施。ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」にクッキー缶を登録したところ、2022年・23年の2年連続で、同市のふるさと納税返礼品人気No.1となった。23年4月にはくずはモール(枚方市)に常設店舗をオープンし、勢いに乗っている。

 同店を運営するクーバルは、食品宅配事業からスタート。フィットネスや飲食、介護福祉へと事業拡大する中で、「就労継続支援B型事業所むく」を「cafe muku」に併設した。
 「事業所らしくない雰囲気ですね」と感想を述べると、「このお店は、先にカフェ単体で運営していて、後から就労支援をスタートしたという背景があるので、私も福祉についてはプロではありませんでした。だからこそ逆に、『福祉』の型にはまらない事業所運営ができているのだと思います。今も日々みんなで勉強しながら進んでいるような感じですね」と千葉亮店長はほほ笑んだ。

 同施設の利用者は、従業員の一員として菓子製造やカフェの業務に従事する。「以前の事業所ではやることがなくて、やりがいが少なかった」と話す人もいるという。千葉店長は「ありがたいことに商品が人気なので、お店はいつも大忙し。仕事がたくさんあって『やることがない』ということはないですね。他の事業所と比べると正直レベルが高くて大変だとは思いますが、やりがいは感じてもらえると思います」と話す。

 事業担当の松村恭薫さんは「弊社は全ての事業で『感謝』を大事にしています。mukuの商品についても、販売するからには『障がい者が作るから』といったこと抜きに、購入するお客様からちゃんと『ありがとう』と言ってもらえるクオリティーの商品を作らなければ、と考えています」と話している。〝売れる商品〟を取り扱っているため、必然的にたくさんの業務に利用者が従事できるような環境だ。

<取材協力>cafe muku・就労継続支援B型事業所むく/兵庫県川西市清和台東3丁目1-8 トナリエ清和台2階