若手漫才コンテストの頂点「M-1グランプリ」で王者になった「ミルクボーイ」(駒場孝、内海崇)が主宰する漫才ライブ『漫才ブーム』。上方漫才の魅力をアピールするため、今年から10年掛かりで全国47都道府県を回るツアーを実施することになり、大阪・難波八阪神社に勢ぞろいして初年度の訪問場所を抽選で決定した。
集まったのは「ミルクボーイ」のほか「金属バット」(小林圭輔、友保隼平)、「デルマパンゲ」(迫田篤、広木英介)、「ツートライブ」(たかのり、周平魂)の4組。
結成17年の「ミルクボーイ」は、2019年の「M-1」優勝後も大阪に留まり、上方漫才の再興を目指し〝天王寺区住みます芸人〟を続け地道な活動を続けている。『漫才ブーム』は後輩の3組を誘って、最初は50人規模の小劇場からスタート。近年ではなんばグランド花月での特別興行も実施するようになった。
「ミルクボーイ」は一時、漫才をサボっていた時期があったことは有名だが、「M-1」頂点へ奮起するきっかけになったのがこのイベントだ。内海は「〝このメンバーのお蔭で、M-1に優勝できた〟と言っても過言ではない」と当時を思い出しながらしみじみ。
後輩の3組について、駒場は「負けたくない」と表現。今後は全国ツアーを続けながら「漫才を一度溶かして、改めて体に流し込んでいくような10年にしたい」と継続しての精進を誓った。
「M-1」については、「金属バット」「ツートライブ」は結成15年を過ぎ出場資格を喪失。唯一今年も出場できる「デルマパンゲ」の広木は「ミルクボーイさんに続いて『M-1グランプリ』チャンピオンになり、始まるこのツアーに勢いを付けたい」と決意のコメント。
まず1年目は、抽選で沖縄、香川、三重、青森(順不同)を訪れることが決定。ツアー開催と並行してYouTubeチャンネル「ムーブ才漫」の開設も。10年間のツアー終了後は地方での公演がDVD化されることも発表された。
メンバーの8人は「これやったらコンビ解散も、途中離脱もでけへんなぁ。漫才コンビとして熟成期でもある〝これからの10年間の進化〟を見てもらうしかない」と決意を新たにした。
(畑山博史)