【大阪・十三】記憶と忘却の狭間で交差する親子の絆 映画「虹のかけら」 12月16日から1週間限定ロードショー 

 認知症を取り扱った映画「虹のかけら」(坂厚人監督)が12月16日(土)〜22日(金)の間、十三シアターセブン(大阪市淀川区十三本町)で追加上映される。作品は記憶と忘却の狭間で交差する親子の絆を描く物語。〝団塊の世代〟が75歳以上の高齢者層へと突入した現在、誰もに考えさせるリアティがあり、本作が誕生した意味は大きい。

映画「虹のかけら」のワンシーン

 物語は認知症を患う母・佳代子と共に人生を歩む娘・芽衣。家族の大黒柱でもある父親は、六年前に逝去した。認知症が原因で、徐々に変わり果てていく母と過ごす彼女には、友達も恋人もいない。

 彼女の人生は、孤独と疲労の渦の中。夜間徘徊(はいかい)も目立って来た母を養うために芽衣は、否応無く夜の世界に身を置いていた。芽衣にとって、心を許せる相手は極わずか。そんな彼女には、昔から母に対する心の凝りを抱えていた。芽衣は、母親が認知症を患うまで、向き合えなかったある過去と面前に対峙しようとするのだが…。

 現代の日本において、深刻な少子化や高齢者問題は真っ只中。未来において、孤独感を抱えて生きている人は多い。本作は「もしあなたの家族が、認知症を患った時、あなたはどう受け入れ、どう行動を取りますか?」と考えさせてくれる親子の絆を描く物語でもある。

映画「虹のかけら」をPRする俳優陣とスタッフ

 坂監督は「本作の主人公、芽衣は私の生き写しであり、 未来を歩くキャラクターとして、創作を始めました。物語において、主人公芽衣が様々な人に影響を受け、助けてもらうことと重なりました。私自身、この映画と共に進んで生きている気がします。皆さんに何か一つのかけらでも届くことを願っています」とメッセージを送っている。

 製作・配給 映画『虹のかけら』製作委員会、脚本・堤健介、プロデューサー・岸本景子、音楽・櫻井智子。

 ■12/16(土)12:00(~13:42)■12/17(日)14:20(~16:02)■12/18(月)~12/22(金)12:00(~13:42)※舞台挨拶日程あり。

 問い合わせは電話06-4862-7733、十三シアターセブン。