次世代のお寺とは!? 〝ホテル一体型寺院〟が11月完成!

宗派問わず誰でも参加できる「落慶特別参拝」の見どころを聞いた

ホテル一体型寺院、11月始動

 大規模改修を経て、全国でも珍しい「ホテル一体型寺院」として生まれ変わる「ミナミの観音さん」こと三津寺(大阪市中央区)が、いよいよ今年の11月26日に完成する。宗派など関係なしに誰でも参加できる「落慶(らっけい=お寺の完成祝い)特別参拝」が11月27日〜12月3日の7日間、開催される。一足先に改修後の全貌を見学することができ、さまざまな催しや体験が予定されている。

三津寺が考える新しいお寺のあり方

 寺離れが進む昨今、三津寺が目指すのはこれからの時代における新しい寺のあり方。

 副住職の加賀俊裕(しゅんゆう)さんは、「生き急ぎがちな現代人の日常生活のなかに、ほんの少しでも〝お寺時間〟を取り入れてほしいと思っています。お寺で絵写経に没頭したり、お茶を飲んでほっと一息ついたりする時間を持つことで、自分の現状を俯瞰的に見つめる時間ができる。境内に足を踏み入れた方が少しでも仏教文化や美術・歴史を体感し、信仰心を持つことで心豊かに生きられますよう、さまざまな取り組みを行なっていきたいと考えています」と話す。

 そんな思いから落慶特別参拝の各行事内容にもこだわった。その中でも見どころとなる4つの行事を加賀副住職に聞いた。

1.御供茶法要・茶室開き

 「新たな建物の一階には参拝者の方に気軽に一服してもらえるよう四畳半の茶室〝遠離庵(おんりあん)〟をしつらえました。本堂でご本尊十一面観音さまにお抹茶を一服お供えする御供茶法要を行ったあと、茶室にておいしいお菓子と気軽なお茶を一服召し上がっていただけます」。
 詳細は、11月30日(午後2時〜同6時・同1時半受付開始)、参加費5000円(落慶特別参拝を含む)。

2.ゲストライブ 馬喰町バンド

 「落慶特別参拝に加え、〝ゼロから始める民族音楽〟をコンセプトに多方面で活躍する馬喰町バンドさんをお招きする特別な1日。音楽と映像が作り出す何となく懐かしさも感じる世界観のライブは子どもも大人も一緒になって楽しめること間違いなし。今回落慶にあわせて作成いただいた三津寺のテーマソング〝三津寺絵巻〟も初披露します。そのほか、夜多羅(やたら)さんによる雅楽ライブ演奏や仏教音楽の声明もお楽しみいただけます」。
 詳細は、12月3日(午後2時〜同6時)、参加費5000円(落慶特別参拝を含む)。

3. ゲストトーク 生物学者 福岡伸一先生

 「落慶特別参拝に加え、わかりやすい言葉で生命の根源に迫る生物学者の福岡伸一先生をゲストにお招きする特別な1日。先生の研究や万博に関するお話だけでなく、三津寺副住職とのクロストークでは、生物学・仏教の視点から〝ワタシとは何か?〟に迫ります」。
 詳細は、12月2日(午後2時〜同6時)、参加費5000円(落慶特別参拝を含む)。

4.仏様とのご縁結びー結縁灌頂(けちえんかんじょう)

 「結縁灌頂とは仏様とのご縁を結び(結縁)、頭頂に智慧の水を注ぐ(灌頂)密教の神秘的な儀式です。受ける方の心に本来備わる仏様の心“菩提心”や智慧を開く大切な儀式として密教の生まれたインドから中国を経て日本に至るまで脈々と受け継がれてきました。三津寺の結縁灌頂ではどなたでも宗派を問わず、本堂に祀られる九躰の仏様の中から縁ある仏様を見つけて結縁いただけます」。
 詳細は、▼12月2日(一座目)午前10時〜同11時半、(二座目)午前11時半〜午後1時、▼12月3日(一座目)午前10時〜同11時半、(二座目)午前11時半〜午後1時、参加費は各5000円。

※各日イベントの参加は事前予約が必要。詳細は三津寺ホームページか電話へ。

■七宝山 大福院 三津寺/大阪市中央区心斎橋筋2丁目7番12号/電話06(6211)1982
三津寺ホームページ https://mitsutera.jp