梅田で「フィリピン料理フェア」開催 万博人気を受け企画 19日まで

 フィリピン観光省主催でのフィリピンフードフェア「A TASTE OF THE PHILIPPINES AT JAJA BAR」が、キャノピーbyヒルトン 大阪梅田(北区大深町)の11階「JAJA BAR」で12月19日まで開催されている。

 日本に在留するフィリピン人数の割合は多く、中国、ベトナム、韓国に次いで4位で約34万人(出入国在留管理庁 2025年6月末)。日本ーフィリピン間は飛行機で5時間以内で着くほど比較的近距離で、日本からの海外旅行先としても人気がある。日本人にとって身近に感じられる国である一方、日本国内でフィリピン料理を楽しめる店舗は、他のエスニック料理店と比べると少ない。

 そんな中、フィリピン料理が広く知られるきっかけとなったのが大阪・関西万博だ。万博内のフィリピンフードショップは、まだ混雑の少ない夏休み前の時期から30分以上の待ち列ができるほど人気が高かった。日本人になじみの薄いフィリピン料理だが、実際に万博で食べて「意外と口に合う」と感じた人も多かったのではないだろうか。

 フィリピン総領事館観光部の竹原浩二さんは、「これまでフィリピン料理を日本人に楽しんでいただく機会が少なかった。万博での認知向上や、来年が日本とフィリピンの国交70周年記念にもなることを踏まえ、今回のフェアの開催に至った」と話す。また会場となった「JAJA BAR」としても異国料理のイベントを行う試みは初とのこと。

 イベントで提供されるのは、「Lumpiang Binondo(ルンピア・ビノンド)」「Lechon Sandwich(レチョンサンドイッチ)」「Adobo(アドボ)」の3種。

ルンピア(記者撮影) 1600円

 ルンピアは細長い揚げ春巻きのことで、フィリピンでは大人数で集うパーティーの定番料理として親しまれている。一口ずつつまめる手軽さが特徴だ。
 同国には中国系移民が多く、中華料理が独自にローカライズされた料理の一つがルンピアとされる。一般的にはスイートチリソースを添えて味わうが、提供されるソースはしっかりとしたピリ辛仕立てで、酒との相性も良いという。

レチョンサンド(記者撮影) 2500円

 レチョンは「肉の丸焼き料理」で、こちらもパーティー料理の定番。本場では豚の姿そのままで店頭に並ぶことが多い。イベントではこれをサンドイッチにして提供。甘いソースと野菜のみずみずしさ、レチョンのワイルドさと酸味が混ざり、異国の風味を感じる。

アドボ(公式より提供) 2600円

 アドボはフィリピンの代表的な家庭料理で、鶏肉や豚肉を酢と醤油、にんにく、香辛料などで煮込んだもの。その味は家庭ごとに違うといわれている。同フェアでは大きなボウルにボリューミーに盛られて提供される。

 「旅の大きな要素の一つが『食』。これを機に、フィリピンをより身近に感じてほしい」と竹原さんは話す。いつもと違った「南国のクリスマス」の雰囲気を感じるには、うってつけのイベントだ。

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