「助けて!」から半年、1日4000個売れるヒット商品に

焼きたてがおいしいというベビーカステラの常識を打ち破る。オーナーの山野悠治さん・佳奈さん夫婦

 「お店がなくなっちゃう!助けて!」とクラウドファンディングで支援を募ったのは2022年11月のこと。それから半年後、今や1日4000個売れるヒット商品に。一体何が起きているのか?今話題の「カステラのあかちゃん」を取材した。(山崎)

冷めてもおいしいカステラ

 同店は城東区関目に1月移転オープンした小さな店舗。店頭には「うまれました」の文字がハタハタと揺れる白いノボリが目を引く。店内からは甘い香りが漂い、ナチュラルウッドな外観と暖色系の照明に思わず足を止めてしまう。「なんの店?」と視線を注げば、そこにはキュン!とするかわいらしい一口サイズのカステラが並ぶ。

 ベビーカステラといえば、屋台で人気のお菓子。簡単そうに見えて繊細で手際よく焼くには技術の継承が一般的。しかし同店のカステラは少し違う。冷めてからよりおいしくなるようにゼロから自力で試行錯誤された新製品なのだ。いわば次世代のベビーカステラといえよう。しかも、ひと目で人を笑顔にさせるビジュアル、手土産やプレゼントにうってつけなのだ。

大阪土産の定番に

 「なぜ冷めてもおいしいのか?」オーナーの山野悠治さん・佳奈さん夫婦に話を聞くと「季節・気温にあわせた生地の配分や焼き方にマル秘の技術がある」と目を細める。ベビーカステラは焼きたてがおいしいという常識を打ち破り、人にプレゼントして喜ばれるものをという視点で誕生したカステラのあかちゃん。「1,000円ほどの手土産でこんなに笑顔をもらえるなんて」といった喜びの声が続出している。「どう売るかより、どう喜ばせるかを大切にし、買いに来て下さる人、手渡す人、受け取る人、みんなを笑顔にしたい」と話す山野さん。手土産としての人気は上々。大阪土産の定番となる日も近いのではないだろうか。

■カステラのあかちゃん/大阪市城東区関目1-18-10/営業時間11:00~20:00/不定休