色づく木々が街を包み込む秋。関西各地の名所では紅葉がいよいよ見頃。美しい景色とおいしい秋をめぐる小さな旅へ出かけてみませんか。
映える鹿と柿の葉すし
奈良公園~東大寺 奈良市

国の天然記念物に指定され野生のシカが生息している奈良公園。見頃は11月中旬から12月上旬。混雑を避けるためにも早朝がおすすめで、若草山から昇る朝日に照らされた秋色に染る鹿たちが歩く姿はとても神秘的。
奈良・五條吉野の地方は全国でも有数の柿の産地で、「柿の葉すし」は奈良の風土が生み出した郷土料理として、2百年以上前から受け継がれている。
一晩寝かせた翌日には、すし飯にサバのうまみと柿の葉の香りがしみ込み、熟成した深い味わいに。

●柿の葉すし本舗たなか なら本店/奈良県奈良市東向中町5─2/葉茶屋」は午前11時~午後4時、年中無休
色づく庭園 散策の締めくくりに栗しるこ
天授庵 京都 左京区

京都市左京区にある南禅寺塔頭の天授庵。特徴的なひし形の畳石は必見。見頃は11月中旬から12月初旬。
ここから少し足をのばし、京都らしい和の甘味処「茶寮宝泉」に立ち寄るのもおすすめ。数寄屋造りの座敷で枯山水を眺めながら秋限定の「栗しるこ」が堪能できる。素材を生かし、ほんの少しの砂糖と水で調整する以外は、丹波栗だけしか使わないこだわりの一品。

●茶寮 宝泉/京都市左京区下鴨西高木町25/10時~午後5時(L.O.同4時30分)、水・木曜定休
壮大な滝ともみじの天ぷら
箕面大滝 大阪箕面市

「森林浴の森百選」の一つ、明治の森箕面国定公園では、箕面大滝(大阪府で唯一の「日本の滝百選」)や周辺の寺院などで紅葉が楽しめる。見頃は11月中旬~12月上旬。
1940年創業以来、ずっと滝道で営業を続ける久國紅仙堂では、「もみじの天ぷら」に使用する葉は木から育てている。柔らかく、クセのない、歯ざわりの良い食感の葉を育てるために研究を重ね、無農薬栽培で育てた紅葉の葉を使用。商品は大阪産(もん)の認証を受けていて手土産にもぴったり。

●久國紅仙堂/箕面市箕面1─4─19/10時~午後5時、木曜定休
京の名所と秋フォンデュ
八坂神社~清水寺 京都 東山区

京都市東山区にある八坂神社。本殿裏の参道にある「もみじのトンネル」は写真映えするスポットとしても人気だ。見頃は11月下旬から12月上旬。ねねの道、二寧坂、産寧坂を抜ければ清水寺に。
八坂神社のすぐそばにある「ジュヴァンセル祇園店」。人気メニュー「祇園フォンデュ」の秋バージョン「秋フォンデュ」が数量限定で販売されている。栗、サツマイモ、梨、柿といった旬の食材や、イチョウ型のイモようかん、マツタケに見立てたシュー生地など秋の素材をチョコソースに絡めて味わう。


●ジュヴァンセル祇園店/京都市東山区八坂鳥居前南入清井町482 京ばんビル2階/分)、火曜定休
秀吉も愛した絶景と名物の炭酸煎餅
瑞宝寺公園 神戸 有馬温泉

有馬温泉街にある瑞宝寺公園。紅葉の見ごろは、例年11月上旬から中旬ごろ。特に、伏見城から移築した旧瑞宝寺の山門と紅葉のコラボレーションは必見。
有馬温泉の銘菓「炭酸煎餅」の発祥店である「三津森本舗」が手がけるカフェの人気メニューは「炭酸煎餅ティラミス」。西宮市で有名な「ヒロコーヒー」のコーヒーに浸した炭酸煎餅6枚をベースに、マスカルポーネクリームとバニラアイスを挟んだ商品は、ここでしか味わえない贅沢な一品。

●MITSUMORI CAFE/神戸市北区有馬町811/07/ 午前9時30分~午後4時45分(食事は同4時、ドリンクは同4時15分まで)、不定休
