【令和版 ニチニチ子育て研究所】「うちの子、歩き方ヘン…?」それはお母さんの「●●不足」が原因かも!?

 赤ちゃんはみんなO脚で生まれ、成長とともに真っすぐになるそう。でも、なかなか真っすぐにならない子もいて…実は「くる病」かもしれません。今回は「くる病」について、また、健康な骨の成長を促すために必要なことについて専門家に聞きました。

医誠会国際総合病院 北岡太一先生
医誠会国際総合病院 北岡太一先生
医誠会国際総合病院(大阪市北区)小児科部長。こどもの病気の中でも骨系統疾患、骨代謝疾患、腎疾患、1型糖尿病の診療を行っている。

Q.くる病ってどんな病気ですか?

A.くる病は、骨が柔らかく、曲がりやすくなり伸びにくくなる病気のことをいいます。O脚になりやすい、身長が伸びにくい、といった症状があります。原因はカルシウム・リン不足であることが多いです。

Q.対処法としては、カルシウムをたくさん取ること?

A.もちろんカルシウムの摂取も必要ですが、実はカルシウムだけでは足りないのです。カルシウムを吸収するためにはビタミンDが欠かせない! 牛乳だけ飲んでも背は伸びません(笑)。日本人は、大人も子どももビタミンDが不足傾向にあります。
 ビタミンDは皮膚が日光を浴びることで生成されます。ただ最近は紫外線も暑さもきついので、例えば窓越しに日光浴でも効果はありますよ。食べ物で取るとすればシャケが有効ですね。
 お子さん本人だけでなく、お母さんの栄養不足も気にかけましょう。妊娠期や授乳中のお母さんは、自分と赤ちゃん二人分の栄養が必要になるので、普段より多くカルシウムやビタミンDを摂取するよう心がけてください。

ビタミンDが豊富な食べ物

Q.「くる病」だと気づくサインがあれば教えてください。

A.多くのお子さんは1歳半健診のタイミングで指摘されるか、保育園など集団生活に入ったときに、「他の子と比べてヘンだな…」と気付くパターンが多いですね。そこから整形外科で診てもらって「くる病」だと判明します。多くは栄養不足なのですが、たまに遺伝性である場合があります。そうなると、専門医の力が必要になります。
 ご自身で確認したい場合は、立った時に両ひざの間に大人の握りこぶし1個分のスキマがあるか、あとはヨタヨタと左右に揺れる歩き方かどうか確認してください。



栄養素の「取りすぎ」も注意!

 現代はサプリもあって、栄養摂取が便利になりました。ただし、取りすぎるのもNG! 例えば、ビタミンDを摂取しすぎて「中毒」になると、食欲減退、吐き気、嘔吐、脱力感、神経質などの症状がみられる場合があります。また、腎臓が永続的な損傷を受けて腎不全になることも…。なるべくバランスの良い食事で必要な栄養を取ることがベストですが、不足分をサプリで補う場合は、用法容量をきちんと守るようにしましょう。