〝スパイス尽くし〟変わり種のアフヌン

薬研でスパイスを粉々にすることで香りを楽しめる

 「テンションがあがる『街ナカ』ホテル」として星野リゾートが展開するOMO7大阪で「スパイスアフターンティー」が開催中。前回の〝だしとアフン〟のコラボも斬新だったが、今回もなかなか攻めた企画。辛いの大好きな私と、辛いのちょっと苦手記者がさっそく体験してきた。

 江戸時代から「薬のまち」として栄えた道修町(どしょうまち)のある大阪には、現在も多くの製薬会社が立ち並ぶ。かつては薬用植物のスパイスを薬として用いた歴史があり、今回も大阪をより深く知ることを意識したなんとも同ホテルらしい企画。

 10種類のスパイスを使ったスイーツやセイボリーとともに、オリジナルスパイスティー10種類をフリードリンクで楽しめる。想像できない未知との遭遇にワクワクが止まらない!
 最初に運ばれてきたのは、かつて医師が調剤用に使った薬箱をイメージした大きな木箱。扉を開くと中から薬ビンのような入れ物に入った10種類のスパイスの茶葉が登場。茶葉の入ったビンを手に取って香りを楽しめる、そんな“仕掛け”にスパイス好きの私は心を奪われる。
 1杯目は次に登場するマンゴーパフェと相性の良い「ジャスミンティー」。青花椒(アオホアジャオ)をスパイスとしてブレンドし、薬研(やげん)で細かくする作業まで体験できる=写真。

 さっそく記者もやってみたが、スパイスを潰すことで香りがさらに立ち、早くもリラックス効果が!飲むとさわやかな香りが口いっぱいに広がり、ピリっとスパイスの風味も感じられる。
 「ソルベが溶ける前に、どうぞ」と運ばれてきたのはマンゴーに山椒を合わせたミニサイズの〝マンゴーパフェ〟。マンコーのソルベと果肉の下に潜むサクサクとした山椒風味のクランブル、そしてホワイトチョコの合わせ技が天才的!濃厚なマンゴーに山椒の風味が絶妙なバランスだ。

 お次は、これぞアフヌンの定番〝3段ティースタンド〟に手をつける。「チョコレートに唐辛子」「スイカに大葉」「ショウガのムースケーキ」など、これまで聞いたことのない組み合わせのスイーツたちがかわいく並んでいる。
 スパイスが利いたセイボリーには、クミンを使った「カレー風カリフラワーサラダ」や、ブリオッシュ生地でだし巻き玉子やトマトを挟み、ブラックペッパーの辛みが利いた「ビーフパストラミサンド」など。

 中でも記者が特に気に入ったのは、シャガイモ入りのスペイン風オムレツとタコ焼きを組み合わせた「たこのトルティージャ」。フワフワ生地の食感とガーリックとパプリカパウダーで合わせたタコがスパイスドリンクと合う。ミニチュア舟皿も大阪っぽくて笑える。
 食事と同時にスパイスドリンクも満喫。私が体験したのはカルダモン・山椒の「煎茶」、八角・レモンバームなどの「グリーンルイボスティー」。スタッフ自信作とあってハマるおいしさ。スパイスが苦手な記者も2回注文するほど気に入っていた。
 どのお茶もホット・アイスどちらでもオーダー可能。欲張りな私は両方を飲み比べたが、この時期やっぱりアイスがおすすめかも。

 「スパイスと聞いて苦手な人も多いと思いますが、誰でも楽しめる内容」と広報の佐々木瑛美さん。スパイスが苦手な記者もお茶を何回も〝おかわり〟していたから楽しんだ様子。
 スパイスを体に取り入れた効果か、その日は1日中、体がポカポカに。夜も記者2人ともぐっすり。おそらくスパイス効果で副交感神経が優位に働き、リラックスできたのだろう。アフヌンを楽しんだ後も、体に良い効果が現れる点もおすすめポイント。

 8月31日までの期間限定で、時間は午後0時30分~同3時。料金は1人6800円で1日6組(1組4人)まで。

計10種類のスイーツとセイボリー。木箱の中には10種類の茶葉が入っている
ミニサイズの「マンゴーパフェ
じゃがいも入りのスペイン風オムレツとたこ焼きを組み合わせた「たこのトルティージャ」
ブラックペッパーの辛みが利いた「ビーフパストラミサンド」
スイカゼリー

■OMO7大阪 by 星野リゾート/大阪市浪速区恵美須西3ー16ー30/電話050(3134)8095(午前9時半〜午後6時)