老舗蒲鉾(かまぼこ)店の練り物で、おでんをアップグレード

 「寒い日の続く今こそおでんの季節ー」しかし、家庭料理のおでんだと、ネタがマンネリ化してしまうことも。そこで専門店並みにおでんのネタをアップグレードしてくれる大阪・老舗の大寅蒲鉾(だいとらかまぼこ)を紹介する。

 「大寅」は大阪の「大」と創業者・小谷寅吉さんの「寅」を屋号に、1876(明治9)年から約150年、大阪ミナミ・戎橋筋を本店に営む。代々「おいしい蒲鉾・てんぷらを提供すること」に情熱を傾けている。

 同店の小谷専務は「味の良さ、弾力のある歯ざわり。大寅の大阪かまぼこの味覚の秘密は、新鮮な魚、特に鱧(はも)を使うことにあります」と語る。

 大寅蒲鉾の代表的な原材料は鱧(ハモ)、白グチなどを使う。社長自らが中央卸売市場まで仕入れに行く。かまぼこは複数の魚を組み合わせることで旨(うま)味に深みが出るが、大阪かまぼこの信条は鱧(ハモ)を主体に使うこと。同店は良質な鱧(ハモ)にこだわり、その上「一番身」という最初にとれた身だけを使う。上品な味わいは、吟味した素材を贅沢に使うことから生まれるという。

 仕入れた新鮮な魚は、毎日、この日のうちにさばき、自家製のすり身にする。鮮度が良く、高価な原料魚を素材として最大限に生かすため、「美しさ、スピード」が命だ。

 蒲鉾の品質の良さは熟練した職人あってこそ。店頭で揚げる各種てんぷらは「一度味わうと虜になる逸品揃い」と足繁く通う顧客が多い。常連客は、「スーパーではお目にかかれない変わり種がいっぱい、家庭でもこだわりの専門店のおでんが味わる」と話す。今宵は老舗蒲鉾店の練り物、てんぷらのおでんで一献してみは。

上ごぼう天
天ぷら三種
鱧(ハモ)をさばくスタッフ
鮮魚を石臼で練り上げる
難波店