日本舞踊の第一線で活躍し、数多くの人材を育成している、若柳吉翔さん(直派若柳流寿慶会師範、爽柳流家元)の舞踊歴40年と創作舞踊・爽柳流創流5周年を記念した「若柳吉翔舞踊公演」が10月27日、大阪市中央区の国立文楽劇場であり、吉翔さんは古典から新舞踊まで幅広い演舞を披露。一門の弟子たちとともに、渾身の力を振り絞るように築いてきた〝吉翔の世界〟をステージいっぱいに繰り広げ、満席の観客を魅了した。
吉翔さんは和歌山県出身で、幼少の頃から〝盆踊り荒らし〟と人気を集め、舞踊に関する感性の良さは折り紙付き。12歳の頃から、本格的に日本舞踊に打ち込み、なにわ芸術祭新人賞を獲得している。その後も徐々に才能を開花させ、円熟味を増した技芸で幅広く活躍。日本創作新舞踊協会副理事長などの要職を務めている。
この日、晴れ舞台に登場した、吉翔さんは「義太夫 猩々」を皮切りに3部構成のプログラム全てに出演。真打ともいえる最後の演目では、吉翔さんと長女の池田清音さん(小学5年)が歌舞伎舞踊の「長唄 連獅子」の舞台に立ち、三味線や鳴り物の出ばやしを背に、息の合った、見ごたえある演舞で観客の視線を釘付けにした。
さらに、賛助出演の市川右團次さん、若柳昭翠さん、花柳與桂さんらも個性豊かな演舞で、記念公演に花を添えた。