美の探究者 その感性と哲学(1) 最高の施術は〝体の使い方〟が大切 <久山奈津>

ル・キヤの久山奈津さん
久山奈津/まつげパーマが一般的でなかった1996年に創業。独自の「まつ毛カール」技術や「落ちないマスカラ」で一世を風び。まつ毛デザインと目元美容で、常に日本の先端を走り続ける。一流が集う東京と大阪・にサロンを構え、後進の指導にも力を入れている。

 「もっと力を抜いて。そっと大事に」
 スタッフにまつ毛パーマの施術を教えるとき、私がかける言葉です。慣れないうちはどうしても力んでしまいますが、力むと肩が上がります。つまり、自分の体はガチガチの状態で施術をしていることになり、その緊張は指先を通してお客様にも伝わります。これではお客様をリラックスさせてあげることなんてできず、逆に苦痛を与えてしまいかねません。

 特に新規のお客様は緊張されていますから、お客様の体を緩めるためにも、まずはこちらの体を緩める必要があります。私たちはプロですから、眠ってしまうような心地の良い施術を追求するのは当然のことだと考えています。

 施術は1時間程度で、お客様は横になられたままです。その時間中、ずっと力んでいれば、知らず知らずのうちに額を抑えつけ続け、お客様は頭の後ろが痛くなってしまう。何よりその作業をずっと続けるスタッフの体にも負担がかかります。

 姿勢は前かがみであるうえに、目元の施術には細心の注意が必要です。だからこそ、相手にもたれかからなくて済む、疲れない体の使い方が重要なのです。そのポイントは、ブレない体を作ることです。

 最近よく「体幹を鍛える」という言葉を耳にします。体幹、いわゆる「軸」がブレなければ無駄な動きは防げ、仕事のパフォーマンスが向上します。〝体の使い方〟は私達の業界でも大変、重要なことなのです。

 まつ毛パーマの施術は主に手先を使います。肩甲骨が固まらないように可動域を広げることで、指先をさらに繊細に動かせるようになります。体の軸がしっかりしていると重みは自分で支えられますから、お客様の額で支える必要がなく、お客様はリラックスして体を委ねてくれるようになります。仮に施術中に誰かにバンッと当たられても体はブレませんよ(笑)。

 ちなみに、私はこの〝体の使い方〟について、日本伝統の古武術の要素を取り入れました。古武術は筋力に頼らず全身を連動させる動きが特長だからです。

 お客様に「きれい」になってもらうと同時に、リラックスして施術を受けてもらえるよう、ル・キヤはいつも最高の技術を追求していくのです。

(ル・キヤ代表 久山奈津)

【ル・キヤ 久山奈津さんにインタビュー】目元美容で日本の先端を走る 〝品のある華やかな女性〟つくりたい


ル・キヤ アイスペシャリテハービスENT店
大阪市北区梅田2ー2ー22 ハービスENT 6階 206(6346)7644
まつ毛を傷めず育てながら、きれいに長持ちする“理想の上向きまつげ”を実現。