Spyce Media LLC 代表 岡野 健将

万博が閉幕して1カ月以上経つが、まだまだ万博ロスの声が聞こえ、万博に関連した行事があちらこちらで行われている。いつまでも「万博」をネタに商売をする人たちが後を絶たない。
先日は朝から、万博に出展していたアースマート館と関連するイベントを取材してきた。普段はそんなに多くの人が来ることのない施設だが、野外でのセレモニーにミャクミャクがゲストとして登場した。約15分ほどのセレモニーで、ミャクミャクが壇上にいたのはそれより短い時間だった。
公式サイトなどでミャクミャクが来ることを告知していたが、メディアに広く取り上げられたわけでもないのに、イベントは人であふれかえっていた。入場券を購入する人の列は100㍍以上はあっただろう。一番に来た人は始発で来たそうだ。また関東方面からの来場もあったと聞いた。
同じ日の夕方、別の万博関連の取材にも行った。こちらはチェコ館にいたアーティストの単独パフォーマンスだった。「一期一会」というテーマを掲げたアートパフォーマンスで、同館で行ったものを全てではないが再現。万博会期中は1日5回、3日間に渡ってパフォーマンスをしていた。筆者が観覧した際には、会場は満席で100人以上はいたと思う。終了後の記念撮影も、参加者のほぼ全員が一緒に写真を撮っていた。
ところが、この日のパフォーマンスでは、筆者とアーティストの顔見知りも含め、15人ほどしか来ていなかった。前日の初日はもっと観客が少なかったそうだ。
「一期一会」というテーマ設定、彼のパフォーマンスそのもの、BGMやナレーションと見事に調和した演出など、まるで日本人かと見間違うほど「和」テイストにあふれるパフォーマンスを外国人が演じていたので、余計にその特異性が際立っていた。そして、そこが面白いと思えるポイントでもあった。
万博会場でのチェコ館では、連日満員だったのに、ここでは残念なことに、ほとんど誰にも見向きもされない。
会場で記念撮影して帰った何百人、もしかしたら一千人以上の人たちは何を感じたのだろう?万博だからこそ観ることができた貴重な体験だと思っているのだが、そういう感情は万博とともにロスしてしまうのだろうか?
万博で提供されていたフードやグッズは、どこまでも追いかけて行ったり、ミャクミャクが来ると知れば、現地へ足を運んで必死に写真を撮るのに、どうして海外から来た本物には見向きもしないのだろう?
万博は5年ごとにホスト国を替えながら開催される国際イベント。今回は大阪開催だったことで、私たち日本人は海外に行かずして世界にふれる機会を得たわけだが、その部分に関して、万博来場者たちは何を感じ取ったのだろう?
このアーティストは12月に神戸で、来年1月にはドバイで、その後は米国の複数都市でパフォーマンスをする予定だ。それほどの人物だということだけは付け加えておきたい。
