【外から見た日本】マスク外しませんか?

Spyce Media LLC 代表 岡野 健将


 イギリスで行われた故エリザベス2世の葬儀では参列者や沿道の市民のほとんどはマスクをしていませんでした。日本からみたら異様な光景だったのではないでしょうか? 逆に安倍元総理の国葬では、海外からの来賓も含めほぼ全員がマスクを着用していました。私たちには見慣れた光景でしたが、海外からはどう見えていたのか?

 2020年頃からマスクを着用する動きが広がりましたが、多くの国ではそれまでマスクを着用する習慣はなく、人々はマスク着用に抵抗していました。そのためどの国も法律を根拠にマスク着用を義務づけ、違反すれば罰金等を課しました。

 しかし、日本ではあくまでも政府からのお願いとしてマスク着用が推奨されただけで、法的には着用の義務は一度もありませんでしたし、今もありません。あるとすれば同調圧力による社会的なプレッシャーでしょう。 各国で事情が違うので一概に言えませんが、世界の多くはワクチンの普及や集団免疫の獲得、重傷化率や死亡者数の低下などを踏まえて、コロナのピークは過ぎたしマスクの必要性は低減したと判断しているのです。

 多くの国では既にマスクの着用義務は解除されています。それぞれの国で、公共交通機関の利用時や医療機関内など特定の場所や条件でのマスク着用を強制している場合はありますが、日常生活においてマスクの着用義務はなくなっています。

 ドイツやフランスなどEU諸国、トルコ、シンガポール、韓国、アメリカ、カナダなどは上記の様に「特定の状況下以外ではマスクの着用は必要ない」と宣言しています。そして義務ではなくなった途端、ほとんどの人はマスクをしなくなりました。外でマスクをしている人はまず見かけませんし、飲食店やスポーツの競技場、ライブ会場など大声で話をしたりする状況でもマスクを着用している人はいません。

 かたや日本は厚生労働省が「外ではマスクは着用しなくても大丈夫」「距離を取れる場合や会話をしない場合は室内でも着用しなくても構わない」という趣旨のコメントを発表しています。しかし、 テレビやネットのコメントで「いつになったら外していいのかわからない」「政府が指示を出してほしい」という様なものを見かけますが、日本はもともとマスク着用の義務はないのでいつ外すかは個人の自由だし、外したければ今すぐ外しても何も問題はありません。マスクを外したからといって特に何も変わりません。口の周りが涼しくなるくらいで、わざわざ「マスクをしろ」と言ってくる人はいません。随分前からマスクをしないで日常生活を送っている私の経験から自信を持ってそう言えます。マスクを着用したい人はすればいいし、したくない人は外せばいいだけです。

 国内外の専門家の話や学術論文、各国政府の発表する統計などをみても、現状で 「マスクをしなければいけない」医学的な理由は見当たりません。マスクを外して日常生活に戻り、必要な状況が来ればマスクを着用する、と言う事が自己の判断で出来る社会であってほしいものです。

【プロフィル】 State University of New York @Binghamton卒業。経営学専攻。ニューヨーク市でメディア業界に就職。その後現地にて起業。「世界まるみえ」や「情熱大陸」、「ブロードキャスター」、「全米オープンテニス中継」などの番組製作に携わる。帰国後、Discovery ChannelやCNA等のアジアの放送局と番組製作。経産省や大阪市等でセミナー講師を担当。文化庁や観光庁のクールジャパン系プロジェクトでもプロデューサーとして活動。